1月5日(水)正午まで データ版:3900円/CD版8100円
「香りに関心のある人は、全てに関心がある。」
――『香りと声』
「最悪の先に、天使が現れる。」
――『バッファロー'66』『フェノミナン』
※「備考欄」で、ご希望をお知らせください。
(300円分のポイントバック付き)
料理を前にして、まず最初に、香りを味わっていますか?
「香り」から始められる人は「満足」を得られる一方で、
いきなり食べ始める人は「満腹」に走ってしまうものです。
視覚情報がメインになった現代社会、おろそかになったのが「香り」。
料理を味わうのも、ネットからの視覚情報だのみです。
パートナーを選ぶのも、スペック中心の数値情報に傾斜しがち。
「好き嫌いの感情も、香りで決まる。
においで決めれば、間違いがない。」と中谷さん。
退化してしまった「嗅覚」を取り戻す方法、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□自分の「におい」に鈍感な方。
□いい「におい」を発したい方。
□いい「声」を発したい方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
中谷さんのジャケットには、衣装用匂い袋が入ってます。
京都松栄堂の天花粉。名刺にも香らせているのだそうです。
「庭の金木犀もあれば、スナックのトイレの金木犀もある。
雨の匂いは、土の中の細菌が立ち上がった匂い。
いい香り、悪い香りというものはない。
香りは、楽しい思い出や記憶を連想させてくれる。
香りには、ストーリーがある。」と中谷さん。
香り、匂い、ニオイ――分別するのは、私たちの感性なのですね。
料理が出された時、いきなり食べ始めていませんか。
これからは一拍おいて「におい」を堪能しましょう。
「においを嗅ぐことで、満足感が得られる。
いきなり食べ始める人は、満腹にいってしまう。
だから料理を作る人は、太らない。」と中谷さん。
五感のなかで最初に動き始めるのは、嗅覚とのこと。
嗅覚より前に、視覚や味覚を起動させてしまうと、
せっかくの「におい」が台無しになってしまうのです。
先日のジャケット撮影を行ったのが、パークホテル。
ヒノキの香りがとても印象的でした。
最近のホテルは、香りを活かす工夫を重ねているのだとか。
会話がはずんで楽しくなる。ゆったりとした気分ですごせる。
そんな「感情」をもたらすのが「香り」。
「好き嫌いの感情も、香りで決まる。
においで決めれば、間違いがない。」と中谷さん。
嗅覚とは、直感そのもの。磨いていきたいですね。
無気力の原因は「無関心」でした。
興味を持てない、興味があることを持っていない。
そういう人が気力を失っていくのです。
「香りに関心のある人は、全てに関心がある。
香りに関心のない人は、全てにない。」と中谷さん。
私も「香り」に興味があると胸を張って言えませんでしたが、
「興味がある」と言い切ることで、気がみなぎってきました。
五感の一つ。なぜ「嗅覚」があるのでしょうか。
「1つめは、餌を発見するため。生きるため。
2つめは、パートナーを発見するため。子孫を残すため。
匂いが好きというのが、本物。」と中谷さん。
餌を見つけられない男をパートナーにしない。
そういう男性を見抜くために発達したのが「嗅覚」。
匂いで判断するのが直感的。嗅覚を磨きましょう。
ワイン会での講評には、毎回驚かされます。
なめし革、麝香、タール、腐葉土、ヨードというのもあれば、
「雨に濡れた子犬のにおい」というものまで語られます。
「平安文学では、色と香りの表現しか出てこない。
視覚中心の生活になってきている現代、香りの感覚が鈍化している。
香りの感覚を鍛えるためには、良いレストランにたくさん行くこと。
いいレストランは、香りのミュージアム。」と中谷さん。
視覚情報で唯一表現できないのが「香り」です。
「香り」を言語化できる人になりたいものですね。
中谷さんの文章の秘密は「接続詞」にありました。
「接続詞がなければ、パルスが生まれる。つまりラップ。」
接続詞が入ると、リズムが消える。」と中谷さん。
一方、中谷さんのトークの秘密は「ドンシャリ」。
高音域と低音域が混ざっている音で、たとえるなら笛と太鼓。
「立川談志師匠の「うぅー」、これ大事だよね。
僕が時々入れる「うん」。これも言霊を生み出している。」
接続詞をなくして、「うん」を噛ませてみる。
そうすることで、言葉にエネルギーがこもるのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美
「直感」とは、神様からのメッセージを受け止める感受性。
そのために不可欠なのが「素直さ」です。
今回ご紹介する映画は2本「バッファロー'66」と「フェノミナン」。
いずれも主人公の「素直さ」が味わいどころです。
これまでご紹介してきた「イエスマン」や「フォレスト・ガンプ」も、
同様に、主人公の素直さが見どころでした。
中谷さん好みのキャラクターは「素直」に、運命に向き合う人。
そういう人だからこそ、神様からのメッセージを受け止め、
自分の才能を世のため人のために活かしていけるのですね。
「素直」に才能を活かしきる方法、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□自意識が強くて、疑い深い方。
□四角四面で疲れている方。
□神様のアイディアを受け止めたい方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
最初にご紹介するのは「バッファロー'66」。
奇才・ヴィンセント・ギャロの監督・主演作の自伝映画です。
この機会に、ギャロについて調べてみたら、とても興味深い人物でした。
若い頃、路上で出会ったバスキアとバンドを組んでいたり、
J-WAVEで人生相談をしていたり、小津安二郎のファンだったり、
グンゼの白ブリーフが好きで、来日時にダイエーで大人買いしたり。
ヴィンセント・ギャロ、味わい深いアーティストですね。
ある冬の日、刑期を終えて出所した主人公・ビリー。
出所するなり、いきなり尿意に見舞われます。
とはいえ、刑務所に戻ることもできず…
おしっこを我慢しながら出会ったのが「天使」レイラ。
フィアンセとして、レイラはビリーの実家に「拉致」されます。
「『抱きしめて』と言われたのに、握手しようと手を差し出す。
ビリーは、見た目と違って、とても臆病で、うぶ。
とにかく常識からずれている。オフビート。」と中谷さん。
落差の大きいキャラクターで、浮世の憂さも吹っ切れますね。
「フェノミナン」とは「不思議な現象」や「天才」を意味します。
映画「フェノミナン」の主演は、かのジョン・トラボルタ。
のんびりした田舎町の自動車修理工・ジョージ。
37歳の誕生日パーティーの帰り道、謎の閃光を浴びます。
この瞬間から、ジョージは「天才」に。
チェスではライバルを打ち破り、スペイン語も一気にマスター。
貧しい人にビジネスを手ほどきし、行方不明の子供を見つけ出す。
さらには地震を予知、的中させて、彼の人生はさらに加速。
「一番感じのいい俳優」の演じる天才物語、惹き込まれます。
「リンゴを齧ってみよう。リンゴは僕の肉体の一部となり、
思い出となる。そして、これから先ずっと永遠に一緒にいられるんだ。
すべてのものは、みんな、どこかへと旅を続けているんだよ。
木は、地面で全部つながっているんだ」とジョージ。
「天才」ジョージが、どうしてこんなセリフを?
この間に、いかなる物語があったのか、ぜひ妄想してみてください。
一度ご覧になった方は、もう一度観るきっかけになりますね。
ずいぶん前の月ナカで紹介された「イエスマン」。
別ナカ170で紹介の「フォレスト・ガンプ」。そして「フェノミナン」。
中谷さんのリスペクトするキャラクターの共通点は「素直さ」。
「自意識が行動力を妨げる。素直に受け取る人が、実行する人。
素直に受け取る人は、直感力がある人。」と中谷さん。
直感とは、神様からのメッセージをそのまま受け止める感受性。
人を信じることで、神様からの恩恵を受けることができるのですね。
社交辞令と言えば、「真に受けない」というのが大人の作法。
一般的に、そう思われていますが、それは違うと中谷さん。
「ホテルマンやバーテンダー。サービスマンは、頼まれごとが大好物。
対談したパークホテルホテルの支配人さんの社交辞令を真に受けて、
今回、月ナカのジャケット写真を撮影させてもらった。
社交辞令は、神の啓示。鵜呑みにしよう。」と中谷さん。
「素直さ」を体得するなら映画。この機会に「フェノミナン」を。
映画「フェノミナン」で印象的だったのは、
困っている人たちへ、無償でアイディアを提供するシーン。
「僕は、頼まれてもいないのに、アイディアが浮かぶ。
アイディアは、愛。神様からのアイディアを中継する。
素直な人は、神様からのアイディアを受け止められる。」と中谷さん。
神様の「愛」を受け止めるために必要なのが「素直さ」。
「素直」はトレーニングして、体得していくものなのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美