1月6日(水)正午まで データ版:3900円/CD版8100円
「散歩のように、冒険しよう。」
――恋と革命に生きる感動術。
「ペンギン・ハイウェイ」「髪結いの亭主」「仕立て屋の恋」「タンゴ」「イヴォンヌの香り」
――不思議なことに、恋をしよう。。
※「備考欄」で、ご希望をお知らせください。
(300円分のポイントバック付き)
生き抜くために、次から次へと男性を渡り歩いた山田順子。
仏教の危機を「冒険」で救おうとした大谷光瑞と河口慧海。
白瀬矗に始まる「探検」の精神は、西堀榮三郎、植村直己へ。
「文明人とは、道を探検する能力のある人。保護は、衰退を生む。
つらくならないためには、安楽にならないこと。
出し切ることで、エネルギーがみなぎってくる。
感動は、自分の限界を超えたところにある。」と中谷さん。
内向きになってしまった。そんなときこそ「冒険」。
弾む心と行動力を取り戻す方法、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□若い頃の勢いを取り戻したい方。
□「冒険」を「日常」にしたい方。
□エネルギー枯渇に悩んでいる方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
「サイボーグ009、ルパン三世、そして革命家に憧れた。
革命家は、根性がある。たとえば、伊藤野枝。」と中谷さん。
「伊藤野枝」ときいて、ピンとくる方は少ないでしょう。
伊藤野枝は明治生まれでありながら、結婚制度を否定し、
夫・辻潤を捨てて、アナーキスト・大杉栄との関係を結んだ女傑。
最後は、大杉とともに、憲兵に殺害されました。享年28。
時代の空気を超えた自由な生き方、今こそ体得したいですね。
「芸術を離れた所に、彼女の人生はない」と徳田秋声。
「流浪の魂の持ち主」と評したのは竹久夢二。
その名は、山田順子(ゆきこ)。明治時代の作家です。
その名は創作活動よりも、スキャンダルともいえる恋愛で知られています。
東大卒の弁護士の夫は、借金まみれで離縁。
その後、出版社社長の愛人になり、著作を刊行。
さらには、徳田秋声、竹久夢二とも恋仲になるなど、じつに自由奔放。
でも見方を変えれば、根性ある典型的な明治の女傑。見習いたいですね。
明治初期の日本は、未開の地。探検の対象となる場所でした。
探検される国から、探検する国への転換、これが明治の真価といえます。
「探検とは、未知に出会うために時空を移動すること。
冒険には、3つのGがある。ゴールド、グローリー、ゴスペル。
つまり、富と名声と信仰。」と中谷さん。
ここでいう「信仰」は信念、価値軸と言い換えてもいいでしょう。
未知に出会い、成長する。それが「冒険」なのですね。
日本人冒険家の嚆矢・大谷光瑞は、浄土真宗の僧侶でした。
江戸幕府によって、仏教は手厚く保護されていましたが、
明治政府は神道を国境とし、仏教を排撃しました。いわゆる廃仏毀釈です。
この危機感から、大谷光瑞は、仏教の本質をあらためて探るべく、
中央アジアの仏教遺跡調査のために「大谷探検隊」を派遣しました。
「明治人はむちゃくちゃ。ロマンチストだけどリアリスト。と中谷さん。
明治人の「冒険」精神、混迷の時代の指標となりますね。
学生時代の怠惰な生活から、新入社員の生活への切り替えは至難の業。
それなら、いっそのこと、怠惰にならないほうが、まだましです。
「つらくならないためには、安楽にならないこと。
河口慧海は、大谷光瑞の制止と援助を断って、こう言った。
『これが、私の修行でございます』。
受験校では、チャレンジと継続が当たり前。
とくにがんばっていない。それが当たり前。」と中谷さん。
高いレベルの偉人の生き方を見て、我が身を律したいですね。
「探検家・白瀬矗は、千島調査でレベルの違う寒さを知った。
甘かったことを知ることで、スタートラインに立てる。」と中谷さん。
大隈重信に頼み込んで、お金を工面して、いざ南極探検。
しかし、もう一歩のところで、外国勢に先を越されてしました。
「冒険家はリアリスト。白瀬は、納得できないが、引き返した。
帰国後は、講演会で、ひたすら借金返済の日々。
だけど、その志は西堀榮三郎、そして植村直己に引き継がれた。」
一代では叶わぬ想いが「志」となって、後進に受け継がれるのですね。
女性探検家・續素美代さんは、1967年熊本生まれ。
元来大人しくて人見知り。趣味は着物という女性でした。
初めての海外旅行で、隣の席に乗り合わせたドイツ人。
語学が苦手なので「イエス」を繰り返すうちに、「山登り」を承諾。
気づいたら、エベレストに登る羽目になっていました。
「スキーと徒歩で南極点踏破。日本女性では初。
感動は、自分の限界を超えたところにある。」と中谷さん。
流れに身を任せることも、「冒険」なのですね。
**
月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美
男性にとって、意味不明なのがフランス映画。
「え、なんでここで終わるの?」「え、こんな不条理あり?」
そんな男性の声を尻目に、女性はうっとり、じんわり。
「フランス映画は、ポエム。たとえるなら、お線香。
実体は、香りだけ。お線香でも火でもない。
香りを味わうのが、フランス映画。」と中谷さん。
今回ご紹介するのは「ペンギン・ハイウェイ」「髪結いの亭主」
「仕立て屋の恋」「タンゴ」「イヴォンヌの香り」の5作。
いずれも、映画ならではの芳香香りを楽しませてくれる名作です。
★こんな方にお奨めです♪
□理想の父親になりたい方。
□女心の謎を解き明かしたい方。
□フランス映画の味わい方がわからない方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
「ペンギン・ハイウェイ」は2018年公開のアニメーション作品。
主人公のアオヤマくんは、小学4年生の「研究者」です。
「他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、
昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。
一日一日、ぼくは世界について学んで、昨日の自分よりえらくなる」
「アオヤマくん、自分の世界を持っているよね。」と中谷さん。
中谷さんの小学生時代も、こんな感じだったのでしょうね。
「お父さん」の声を担当するのは、西島秀俊さん。
アオヤマくんにとっては、師匠と言ってもいい存在です。
「僕は多忙なのだ」と歯磨きを怠るアオヤマくんに、
「たしかに君は多忙だ。でも、多忙だからと歯磨きをしない人間と、
多忙でも歯を磨く人間では、どちらがスマートかな」とお父さん。
「命令はおしゃれじゃない。選択肢を与えよう。」と中谷さん。
上司として、父親として、「お父さん」から学ぶこと大です。
アオヤマくんが密かに思いを寄せるのが「お姉さん」。
蒼井優さんが、声を担当しています。
お姉さんは、アオヤマくんにとって、「不思議で面白い」存在。
「『好き』を、どう言い換えるかが恋愛映画。
『不思議で面白い』は、最高の『好き』の表現。
『不思議で面白い』ものに出会えるのが少年。」と中谷さん。
「お姉さん」は、男性にとって、いつまでも研究対象なのですね。
「世界の果ては、どうなっているんだろう」とアオヤマくん。
それに対して、お父さんは、こう答えます。
「端と端がつながっているかもしれないよ。考えに行き詰まったら、
不思議に思っていることを1枚の紙にメモするといい。
発見したことを、またメモにする。それを何度も眺めて、
頭の中で、メモが自由に飛び回っているくらい眺める。
そして考えることをやめる。よく食べて、よく眠る。
すると、ばらばらだったものが、突然つながる瞬間がやってくる」
「エウレカ」をここまで具体的に解くお父さん、すごすぎます。
1990年のフランス映画「髪結いの亭主」。
美貌の髪結いとその亭主。幸せそのものの二人です。
雷雨の夕暮れ、買い物に出ると外出。そのまま、女は身投げ。
夫は「もう帰ります」と客を受け流し、踊りだす。そしてfin。
「男は『なんじゃ、これ??』だよね。でも、女性は違う。
この幸せを壊したくない。幸せの絶頂で封じ込めたい。
考える余地を残すのがフランス映画。自分の頭で考えよう。」
男女の感性の違いを味わうのも、フランス映画の魅力ですね。
こんにち、不倫は「重罪」としてバッシングを受けます。
でもフランスでは、事情は違うようです。
「『あなたは奥さんを愛していましたか?』と裁判官。
『愛しています』と言えば、それで無罪。それがフランスのお国柄。
映画『タンゴ』は、そんな痛快劇。」と中谷さん。
恋愛に厳格になりすぎているきらいのある現代日本。
フランス映画で解きほぐしてもいいかもしれませんね。
フランス映画では、「fin」で置き去りにされがちです。
とくに、男性には、その傾向が強いかもしれません。
「フランス映画は、ポエム。たとえるなら、お線香。
実体は、香りだけ。お線香でも火でもない。
香りを味わうのが、フランス映画。
『イヴォンヌの香り』も、ストーリーはまったく興味がない。
きれいなベッドシーンを味わえれば、それでいい。」と中谷さん。
フランス映画の「香り」を味わい尽くしましょう。
**
月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美