10月7日(水)正午まで データ版:3900円/CD版8100円
「根性のある人は、根性のある人とつきあう。」
――教養で、色気をつける生き方塾。
『赤い風船』『五億円のじんせい』
――旅行より、旅をしよう。
※「備考欄」で、ご希望をお知らせください。
(300円分のポイントバック付き)
成功者に共通する要素、それは「根性」。
根性と言っても、精神論ではありません。じつに科学的なスキルです。
たとえば、若さも芸もない芸妓・小吉は教養で勝負しました。
ヨーロッパの貴族に嫁入りしたクーデンホーフ光子。
彼女は、歴史地理、数学、語学、礼儀作法などを猛勉強して武器に。
陸奥亮子は、毎日2時間「源氏物語」を英訳して、新聞に連載しました。
「人と同じことをしていたら、生きていけない。」と中谷さん。
生き抜くために、創意工夫を凝らすこと。これが「根性」。
根性を発動させる人生作法、中谷さんから教わりました。
★こんな方にお奨めです♪
□根性のある生き方をしたい方。
□つい他の人と同じことをしてしまう方。
□色気を身につけたい方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
次から次へと現れるウェブサービス。
それをビジネスにして成功する人も続々登場しています。
「ユーチューバーにしても、後発は参入できない。
失敗には時間がかかる。時間的に追いつけない。
早く始めた者勝ち。成功するには、早く始めること。」
迷わず飛び込める行動力が、成功の秘訣のようですね。
芸妓というと、「風俗関係?」と連想してしまいます。
でも芸妓とは、教養と根性を兼ね備えた貴婦人だったのです。
「幕末明治の偉人たちは、芸者とつきあっている。
桂小五郎の幾松、伊藤博文の継妻・梅子、陸奥宗光の妻・亮子。
徳川幕府がつぶれて、没落武士の娘たちが芸妓になった。
だから教養があるし根性もある。」と中谷さん。
にわかに立身した男たちにとって、芸妓の妻は羨望の的。
男たちの活躍の陰には、そんな女たちの姿があったのです。
大阪新地の伝説の芸妓・小吉。
15歳で舞妓さんになり、20歳までに芸妓になるのが一般的。
ところが小吉はすでに24歳。さらには子持ちという身の上。
「お金持ちの女中さんに名前を覚えてもらいに銭湯へ。
読書が趣味。さらには、懸賞小説でも特賞を受賞した。
『文学芸者』と言われて、人気を博した。根性の人。」
人と同じことをしていたら、生きていけない。
自分の持ち味に磨きをかける。それが根性なのですね。
ある人が、中谷さんの実家について尋ねたそうです。
「夜は染物屋で、夜はスナック。」と中谷さんが答えると、
「やっぱりそうでしたか」と膝を叩いたということです。
「お客さんとのやり取りで、色気が身につく。」と中谷さん。
照葉とともに「東京の二名妓」と称されたのが満龍。
彼女は7歳にして、赤坂の置屋の幼女になりました。
フェロモンとは、社交の場に浸ることで溢れ出るようです。
満龍と並び称された照葉。金持ちの遊び人、音峰と恋仲に。
ところが、照葉の気持ちに疑いを持った音峰はヤキモチ。
そのとき、照葉は、自分の小指を切り落として送り届けました。
「小指を詰めた芸者として、一躍売れっ子になった。
政治家や実業家は、根性のある女性が好き。」と中谷さん。
その後、結婚。渡米。自殺未遂。その後、パリで出産。
映画出演、離婚、再婚、バー経営。自叙伝刊行。
39歳で、京都祇王寺の庵主となるという波乱万丈の人生。
「雅味」という言葉がぴったりなのが、照葉の生涯です。
「口下手だと、人の話を聴くのがうまくなる。
伊藤博文は口下手。そのぶん敵味方のまとめ方がうまい。」と中谷さん。
伊藤に見いだされたのが陸奥宗光。明治外交で活躍しました。
陸奥宗光の妻・亮子も芸妓出身。元は旗本の娘でした。
投獄時代の陸奥を支え、外交官となった陸奥を盛り立てました。
毎日2時間、「源氏物語」を英訳して、新聞に連載したといいます。
「ワシントン社交界の華」とも称され、陸奥外交の立役者でした。
「どんな時代にも、根性のある女性はいっぱいいる。」と中谷さん。
根性のある男女によって、近代国家日本が築かれたのですね。
クーデンホーフ光子は、オーストリーの伯爵に見初められて結婚。
その後、現地に渡りますが、慣れない土地、階級、文化…
一度は里帰りが頭によぎった光子ですが、そこからが彼女の本領発揮。
歴史地理、数学、語学、礼儀作法などを猛勉強した根性の日々。
「現実を真正面から受け止めて、境遇を活用する。
人と同じことをしないで、選んだ人生を『正解』に持っていく。
スケールがでかい。根性だね、結局は。」と中谷さん。
自分が納得するまでやり通す。それが「自立」なのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美
「かわいい子には旅をさせよ」の「旅」の意味が初めてわかりました。
「旅」とは、今いる場所から離れ、新しい自分を見つける道程なのですね。
「旅」のなかでの出会いによって、人は世間を知り、人間を知る。
自分の未熟さを思い知る。プロの世界に瞠目する。
生き抜く知恵を獲得する。そして、「自分」を見つけ出していく。
そう、「旅」は修行だったのです。
「周囲の人に、お世話になっていることを知る。それが成長。
誰からも優しくされる、誰にでも優しくできる。
そういう態度を学んでいく。」と中谷さん。
成長し続ける大人の人生作法、中谷さんから学びました。
★こんな方にお奨めです♪
□映画ポエジーの世界を知りたい方。
□優しくしてもらえる人間になりたい方。
□プロの世界に入りたい方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
フランス映画『赤い風船』は、1956年の作品です。
当時のパリは、まだ第二次世界大戦の戦火の燻る「灰色の世界」。
本作は、パリを舞台とした、少年と赤い風船の「友情」の物語。
アカデミー賞「脚本賞」を受賞したのに、セリフは、ほぼなし。
「カラーはカラフルではだめ。パートで生きる。」と中谷さん。
なるほど、「灰色」のなかの「赤」が引き立ちますね。
でも中谷さんの指摘がなければ、そんな視点は得られませんでした。
『赤い風船』の監督は、「映像の詩人」アルベール・ラモリス。
「いじめっ子たちによって石を投げつけられて萎んでしまう風船。
落ち込む少年の元へ、数々のアパルトマンから、風船がふわふわと。
赤、青、白、黄色、緑。色とりどりの風船が、たくさん集まってくる。
それを手にした少年は、上空に舞い上がり、飛び立っていった。
これでフィン。これがフランス映画なんですよ。
映画ポエジーは、フランス映画の根本。」と中谷さん。
まさに詩の世界。ぜひ、映像で味わってみましょう。
幼少期、難病治療のために5億円もの寄付を受けたミライくんは、17歳。
「5億円の人生」がプレッシャーで、死を選ぶことに。
そのためには、寄付してもらった5億円を稼いでからにしよう。
そう決意した彼は、母親の元を去り「旅」に出ます。
しかし、いきなりの苦難の連続に、ミライくんは面食らいます。
「自分が子供だと自覚することが、大人への第一歩。」と中谷さん。
自分を客観視できる人だけが、成長のレールに乗れるのですね。
手配師に紹介された仕事は、その日のうちにお払い箱。
信頼した人からも騙されて、やけになりそうになったミライくん。
「おにぎりを投げつけそうになったけど、食べた。成長しているよね。
来るなと言われたのに、翌朝、また手配師のところに行っている。
むちゃくちゃ成長している。」と中谷さん。
ブローカーに、自分の要望を突きつけるまでに成長したミライくん。
もっとも効率的に成長させてくれるのが「旅」なのですね。
「5億円」というもの大金を出してくれた善意の人たち。
そして、懸命に息子のためにがんばる母親。それがミライくんの世界。
そこから抜け出すために、ミライくんは、あてもなく外に出ました。
「行きたい所に行くのが旅行。ここじゃないどこかに行くのが旅。
親しくない幼馴染のこの言葉に、旅の本質があるよね。」と中谷さん。
日々生きながら、目的地を設定していく。これが「旅」というものなのですね。
ちょっと怖い系。だけど、ミライくんを気に入った丹波の言葉。
「優しいやつと、優しくないやつがいるんじゃないからね。
優しくしてやりたくなるやつと、そうじゃないやつがいるということ。
君は、優しくされて生き残る。おめでとう」
「態度が悪かったら、優しくしてもらえない。
優しくしてもらえる態度とろうよ。」と中谷さん。
「ありがとう。そういうタイプに育ててくれて」とミライくん。
感謝できる大人に成長して、母親の元に帰還することができました。
「5億円」を求めて「旅」に出たミライくん。
ところが、彼が手に入れたのは、傘、おにぎり、文庫本という物ばかり…
お金は微々たるものでしたが、一番の収穫は「経験」と「世間知」。
出会いによって、彼自身が到達したい「未来」が見えてきました。
「不条理な世の中でもやりたいことがある。
お金よりも、やりたいこと。それを追えるのが自由。」と中谷さん。
人生のテーマを見つけるために、人は「旅」をするのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美