月刊・中谷彰宏135「自分だったらどうするかを考え続ける。」――当事者意識から逃げない仕事術
仕事ができない人に欠けているのが「観察力」。
同じ情景を見ていても、受け取るものがまるで違う。
同じ場面に遭遇しても、学びの量がまるで違う。
では、どうすれば、観察力が身につくのでしょうか?
それは「当事者意識」を持つこと。
この店のサービス、自分だったら、どう変えていくか。
この仕事、自分だったら、どうやって工夫していくか。
常に「自分だったらこう改善する」と考える習慣を持つ。
これが当事者意識を持つということ。
仕事に前のめりになる心構え、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□いまの仕事に前向きになれない方。
□いまの仕事が楽しめない方。
□もっと売上と利益を伸ばしたい方。
別冊・中谷彰宏135「非効率ができる人が、稼げる。」――教養で生きる人生術
豊かな生活をしたい。自分の願いをかなえたい。
どんな時代でも、私たちが願うことに変わりはありません。
でも、時代を洞察し、それを見据えた戦略を立てなければ、
望むような成功は実現できないのが現実。
現在、経済の時代から文化の時代へと急激に転換中です。
効率を重視すれば豊かになれる時代は終焉を迎え、
学びによって豊かになる。そんな時代に移行しつつあります。
「効率で食べていける時代は、終わった。」と中谷さん。
経済の時代が終え、AI=超効率時代が到来するなか、
私たちはどのような意識改革をすればいいのでしょうか?
新しい時代の人生戦略、中谷さんが語ってくださいました。
★こんな方にお奨めです♪
□努力が空回りしていると思われる方。
□AIに仕事を奪われるのではないかと心配な方。
□いち早く、新しい時代を先取りしたい方。
○「マナーを作れば、ビジネスになる。」(中谷彰宏)
オリンピックの正式種目でもあるスノーボード。
ところが、登場したてのときには「不良(?)の遊び」でした。
それが市民権を得られたのは、マナーのおかげ。
「法律も道徳も変動する。だけど、マナーは変わらない。
マナーができたことで、認められるようになった。」と中谷さん。
認められたいのなら、マナーを身につけること。
実力よりもマナー。マナーも実力の内なのですね。
○「抜け出すために、腕を磨こう。」(中谷彰宏)
「やっている仕事に、やりがいや誇りを持てない……」
そんな方に向けて、中谷さんはこうアドバイス。
「卒業したいと思うのなら、腕を磨くしかない。
自分で選択できるくらい上達すれば、抜け出せる。」
せっかくありつけた「いやな仕事」なら、そこから吸い尽くす。
このくらいの気構えで臨めば、いやな仕事は学びに満ちた仕事に。
気持ちの切り替え一つで、目の前の光景は一変するのですね。
○「自分の方程式を持とう。」(中谷彰宏)
一部の面倒くさい患者さんの対応に困っているクリニック。
ベテランの受付さんが、アドリブで対応してきたのですが、
これもそろそろ限界。しだいにメンタルをやられてきました。
そこで、院長が導入したのが「方程式」。
「仕事での問題には、せいぜい何通りかのパターンしかない。
自分の方程式を持てば、それに対応できる。」と中谷さん。
問題のパターンを分析し、対応のパターンを考える。
そのために必要なのも、「観察力」なのですね。
○「工夫すると、仕事が楽しくなる。」(中谷彰宏)
階層が上に行くほど、自分の意志を反映できます。
言い換えれば、工夫を実践することが可能になります。
その点、下っ端――階層が低い人達はそうではありません。
上からの指示やマニュアル通りにやらなければなりません。
でも、そんな状況でも、工夫ポイントを見つけ出す人がいます。
そういう人が「上」に上がっていくのがビジネス社会。
仕事を楽しめないのは、工夫を諦めているからかもしれませんよ。
○「傍観者ではなく、当事者になろう。」(中谷彰宏)
あるレストランで、2人は同じサービスを受けました。
1人の「傍観者」は、サービスを批評して、良し悪しを語りました。
1人の「当事者」は、サービスを観察して、学び尽くしました。
この両者、十年、二十年の歳月の中で、どれだけ差がつくでしょうか。
「世の中には、傍観者と当事者しかいない。
僕はスナックの息子だから、どこに行っても当事者。
ここを任されたらどうするか、いつも考えている。」と中谷さん。
成長する人は、学べるポジションに身を置くのですね。
○「一流の仕事は、観察力が違う。」(中谷彰宏)
車内販売の売り子さんでも、売れる人と売れない人がいます。
「売れる子は、後ろのお客さんに意識を向けている。
眼の前のお客さんとのやり取りを通じて、語りかけている。
だから、その場で両側のお客さんに売れる。」と中谷さん。
中谷さんの観察力には、驚かされますね。
もっとも、その売り子さんも相当の力量。
売れている先輩を観察しながら、技を磨いていったのでしょうね。
○「プロは、素人のふりをする。」(中谷彰宏)
相手を油断させた人が勝つ。これは、投資でもギャンブルでも同じ。
プロのギャンブラーは素人のふりをして場を盛り上げるそうです。
それは、ディーラーもお見通しで、出来レースを演じる。
結局、巻き上げられるのは、そこに集まってきたカモたち。
「プロは、素人のふりをする。本当の素人が集まってきたら、
さっと身を引いて、利益を確定する。」と中谷さん。
プロになるかカモになるか、これも観察力次第なのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美
○「高いかどうかは、価格では決まらない。」(中谷彰宏)
500円でも高すぎると思う料理もあれば、
5万円でも安すぎるという料理もあります。
では、その評価は、どのようにして決まるのでしょうか?
「高いかどうかは、価格では決まらない。
知識、経験、技術、心意気。器、しつらえ、豊かな時間。
このお店で学ぶことができる量で決まる。」と中谷さん。
文化をどれだけ体験できるかが、価値なのですね。
○「文化的関係とは、学びを媒介とした関係。」(中谷彰宏)
お客さんは、お店から学び、お店はお客さんから学ぶ。
この両者によって、そのお店の価値が決まるといってよさそうです。
これはお店に限らず、人間関係でも同様。
おたがいに学びあえる関係が、もっとも豊かな人間関係といえます。
「文化的関係とは、学びを媒介とした関係。」と中谷さん。
経済効率一辺倒の時代が終え、文化度が問われる時代へ。
そんな時代の尺度は「学びの量」となっていくのですね。
○「夜景が好きな男は、モテない。」(中谷彰宏)
「お店から学ぶ」といっても、そう簡単ではありません。
予習しないで出向いたのでは、学びも浅いものになってしまいます。
中谷さんは、「芸術を鑑賞するためには、勉強が必要。」と、
よくおっしゃっていますが、お店から学ぶにも予習が必要なのです。
流れている音楽は、この店にとって、どのような物語があるのか。
手入れされた庭園に咲き誇るのは、どんな草花なのか。
「夜景が好きな男は、モテない。」と中谷さん。
目を楽しませるイルミネーションも悪くはありませんが、
深い文化や教養の世界にも習熟しておきたいですね。
○「季節感が崩壊すると、情緒も崩壊する。」(中谷彰宏)
一流のレストランで、学ぶべきものは、何でしょうか?
当然、味。サービスやもてなし方、インテリアもあるでしょうが、
中谷さんは、「一流のお店には、季節感がある。旬は高い。
効率には季節感がない。季節感が崩壊すると、情緒も崩壊する。
一人でカウンターに座って、季節感を満喫しよう。」とアドバイス。
慌ただしく毎日を過ごしていると、季節を忘れてしまいますね。
そんな方は、一流のお店で、季節感を味わいましょう。
○「文化の場所に、経済を導入しない。」(中谷彰宏)
「なんで、スーパーでも売っているビールが1000円もするんだ!」
「でっかい皿に、ちょこっとしか載っていなかったよ……」
食べ物をカロリーや栄養の補給源としか考えていない方は、
こんな不平を口にしたりするものです。
「文化の場所に、経済的ロジックを導入しない。
それはファーストフード店でのロジック。
高級なところに行って、貧乏くさいことをしてしまうのは、
ふだんの勉強が足りないから。」と中谷さん。
コスパで見ていては、文化は見えてこないのですね。
○「レベルを上げなければ、教えてもらえない。」(中谷彰宏)
文化の世界では、「学び」が土台。
その際、重要なのが、「教え・教えられ」の関係です。
お店の常連になるのは、学びをもっと深いものにするため。
そう言っても、過言ではないでしょう。
「一回の食事に真剣勝負。文化の吸収に貪欲であること。
トイレに行きたくなくても、行って勉強する。」と中谷さん。
そういう人には、お店のご主人が学びを授けてくれます。
そんな姿勢と意欲が、あなたのレベルを上げてくれるのです。
○「効率で食べていける時代は、終わった。」(中谷彰宏)
働けば、それだけ稼げた「高度経済成長時代」。
働かなくても儲かり、働いても稼げなくなった「バブル以降」。
さて、これからの時代は、どのようになるのでしょうか?
「効率で食べていける時代は、終わった。
効率という点では、AIにはとうていかなわない。
これからは文化。文化には、AIも太刀打ちできない。
文化や教養に投資した人が、成功する。」と中谷さん。
効率を追求すれば空回り、非効率に身を置けば噛み合う。
そんな文化の時代は、勉強の時代。ともに学んでいきましょう。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美