月刊・中谷彰宏132「選り好みしない人が、運をつかむ。」――技術より基本を学ぶ教養術
中谷さんは、好きなことに没頭しようとおっしゃいました。
だから、わたしは選り好みをすることにします――
もし、こんな解釈をしている方がいたら、それは大きな誤解。
選り好みはいけません。なぜなら、チャンスを逃すからです。
「この仕事は、自分には向いていない……」
「この人、めんどくさそうだからパス」
こんなふうに選り好みをしていませんか?
ところが現実は、向いてなさそうな仕事にチャンスがあり、
めんどくさそうな人が運命の人だったりするものです。
「運は、縁から生まれる。」と中谷さん。
運を良くするマインドセット、中谷さんから教わりました。
★こんな方にお奨めです♪
□自分の適性を知りたい方。
□好き嫌いが激しい方。
□運を良くしたい方。
別冊・中谷彰宏132「やる気より、本気を持とう。」――厳しさの快楽を知る恋愛術
誰もが持ちたいと思っている「やる気」。
でも、やる気になろうと思えば思うほど、
なぜかやる気になれないものです……。
そこで、中谷さんはこうおっしゃいます。
「やる気ではなく、本気になる。
本気になれば、厳しさの中に味わい深さを見い出せる。
惚れるは一瞬。惚れ直すは永遠。」
世の中全体がサービス化して、私たちは、
「お客様」扱いされるされることに慣れきっています。
「お客様」であるかぎり、なかなか「本気」になれません。
本気とは、理不尽や不条理という厳しさの向こうにあるからです。
肩肘張って、ねじり鉢巻の「やる気」ではなく、
毎日淡々と向き合える状態が「本気」。
淡々と本気になる方法、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□人の良さに目が行きにくい方。
□飽きっぽい方。
□やる気を出そうとしている方。
○「動転するかどうかで、適性がわかる。」(中谷彰宏)
自分に向いていることとは、いったい何でしょうか?
中谷さんの判断基準はとてもシンプル。
それは、「ピンチのとき、動転するかどうか」です。
新しいチャレンジには、ピンチはつきもの。
そのとき、動転するようでは、適性に欠けるというわけです。
オロオロしないで泰然としていられたら、適性あり。
誰にでも、堂々としていられる分野があるのですね。
○「奥さんとの会話は、反復が基本。」(中谷彰宏)
夫婦のコミュニケーションについて、新たな金言。
「夫婦の会話は、反復が基本。話を深めない。
小津映画のように、奥さんの言葉を反復する。」
これがもし、男性を相手にやったら、きっと、
「バカにしているのか」と怒りをかうかもしれません。
でも女性には、じつはこれが一番なのです(笑)。
夫婦和合のコツは、聞き流しにあるのですね。
○「約束事が、教養。」(中谷彰宏)
「キリスト教世界では、赤はキリストを意味する。
青や星印はマリア様を表している。だから、
スーパーマンのマントは、マリアとキリストの象徴。」
さすが中谷さん、すごいですね!
「約束事が、教養。」と中谷さん。
「約束事」を知っていれば、もっと芸術を味わえる。
芸術は、感性だけで鑑賞はできないようですね。
○「好き嫌いを言わないのが教養。」(中谷彰宏)
とある知人は、日本の全市町村の踏破を目指しています。
現段階で95%以上の市町村を訪問したということですが、
残り5%を踏破するのに、まだ10年もかかるそうです。
「行きたくもない町もあるけれど、淡々と行く。
そうすると、意外と面白い発見に出会える」とは知人の弁。
「好き嫌いを言わないのが教養。」と中谷さん。
選り好みしていては、発見できないものがあるのですね。
○「品は、基本の積み重ねで身につく。」(中谷彰宏)
いくら情報を集めても、それは教養には昇華しません。
教養というものは、知の体系的な集積だからです。
「焦って、先にテクニックを覚えようとすると、
品がなくなる。いやらしくなる。」と中谷さん。
勝敗にこだわるのも、テクニック志向の人たちです。
基本の上にあって、はじめて技術は生きてきます。
成長し続ける人は、基本を大事にするのですね。
○「運は、縁から生まれる。」(中谷彰宏)
運は、タナボタではないようです。
自分の力で掴み取るものでも、ないようです。
「運を良くしたいのなら、好き嫌いを言わないこと。
たまたま隣に座ったおばあちゃんが運命の人かもしれない。
選り好みをしていると、運を逃す。」と中谷さん。
袖振り合うも多生の縁。
めぐり合わせに、本気で向き合っていきたいですね。
○「チャンスは、嫌いなことにある。」(中谷彰宏)
「三国志」マニアの友人が興味深い発見をしました。それは、
英雄への賞賛の言葉で目立つのは、用心深さだということ。
「用心深い」というと、どこかネガティブな印象ですが、
成功とは、用心深く仕事に取り組むことでもたらされるようです。
「チャンスは、嫌な仕事にある。
向いていないと思うから、慎重にやる。
だから、成功する。」と中谷さん。
嫌な仕事を振られたときが、物語の始まりなのかもしれませんね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美
○「厳しさに触れられれば、長続きする。」(中谷彰宏)
世の中には、楽しいものが満ち溢れています。
ちょっとお金を払えば、楽しい体験はいくらでもできます。
そんな時代だからこそ、「厳しさ」にふれてみましょう。
「楽しさを求めると、すぐに飽きてしまう。
厳しさを通じて、奥深い世界に到達できた人は長続きする。
厳しさに、面白さを見出そう。」と中谷さん。
厳しい世界に触れられる機会を、大事にしたいですね。
○「制約があるから、奥深い世界に到達できる。」(中谷彰宏)
季語を盛り込み、感情を述べずに、五七五で表現する。
そんな制約があるからこそ、俳句の世界は奥深い。
技巧の凝らしがいがあるのも、その成約ゆえ。
これがもし、自由なおしゃべりだったらどうでしょうか。
語り散らした言葉の応酬は、その場限りの「楽しさ」でおしまい。
「入門者は楽しさを語り合う。
上級者は億の深さを語り合う。」と中谷さん。
制約を通じて、奥の深い世界に到達できるのですね。
○「理不尽と不条理を、サラリーマン生活で学ぼう。」(中谷彰宏)
理不尽とは、自分の意向を殺して、上司の意向に従うこと。
不条理とは、思わぬアクシデントで、自分の努力が水泡に帰すこと。
中谷さんの定義はいつもシンプルでいて、奥が深い。
「サラリーマン生活は、理不尽と不条理を学ぶことができる。
上司の気分、機嫌という『風向き』を読む力は一生役立つ。」と中谷さん。
自分にとっての最高の資料ではなく、上司にとって最高の資料をつくる。
理不尽と不条理は、成長するために欠かせない要素なのです。
○「やる気ではなく、本気。」(中谷彰宏)
気持ちが乗らない仕事に取り組む時に必要なのが、やる気。
そう、やる気とは、自分を奮いたたせる緊急時の力なのです。
「やる気は、いらない。一流は本気。
ねじり鉢巻して、うりゃあなんてやらないで、いつも淡々。
それが本気ということ。だから、継続できる。」と中谷さん。
村上春樹さんも、毎日早朝に起きて、淡々と執筆するそうです。
だから、やる気が必要な仕事は、本来、自分には向いていないのかも。
本気で取り組める仕事、それが自分の天職なのでしょうね。
○「すこし離れたところから、深さを味わおう。」(中谷彰宏)
駅伝を見ることは、これまでありませんでしたが、
中谷さんの視点を聞いたら、急に見たくなりました(笑)。
「箱根駅伝の見どころは、繰り上げスタート。
タスキが繋がらないという絶体絶命のときに、ドラマがある。」
野球を見るなら三塁側内野席、美術館では、すこし離れたところから。
最接近ではなく、すこし離れたところから見えるのが「深さ」。
中谷さん視点で、芸術やスポーツを見てみましょう。
○「惚れ直せる力を、磨こう。」(中谷彰宏)
広辞苑の第七版に「惚れ直す」という言葉が入ったそうです。
「惚れ直す」とは、惚れたあといったん冷めて、また惚れる。
じつは、そういう意味ではなく、どんどん惚れていくという意味。
おたがい好いていっしょになった夫婦でも、時間が経てば、
しだいに相手のあらが見えてくるものです。
でも、惚れ直すことができる人は、さらに新しい魅力を発見できる。
惚れ直す――これは相手の長所を深掘りする力なのですね。
○「小さな気づきで、惚れ直す。」(中谷彰宏)
では、どうしたら、惚れ直すことができるのでしょうか。
こういうとき、ふつうは相手のがんばりを期待してしまいます。
パートナーが努力してくれれば惚れ直す――こんな感じです。
でも、これは中谷さんはこうおっしゃいます。
「惚れ直すとは、再発見すること。
ささいなこと、小さなことのなかに、深さを見つけ出せる力。
惚れるでは冷める。でも、惚れ直す人は冷めない。」
惚れ直せる人は、一生飽きない人なのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美