月刊・中谷彰宏124「おいしいと感じることが、幸せだ。」――この瞬間に幸せを感じる生き方術
幸せになるのは、じつは、そんなに難しいことではありません。
「幸せ」を感じられる感性を身につければいいからです。
「幸せな人は、『おいしい』と感じられる。」と中谷さん。
では、どうしたら「おいしい」を感じられる心身になるのでしょうか。
それには、3つ方法があります。
1.なつかしの味を追体験する
なつかしの味を通じて、楽しい記憶がよみがえり、幸せな気持ちになれますね。
2.食の経験値を積み重ねる
新しい味、新しい食べ方にチャレンジすることで、心身は活性化していきますね。
3.ヘトヘトになるまで働く
仕事で得られた充足感と肉体の飢餓感が、「おいしい!」をもたらします。
「おいしい」を感じられる心身技法、中谷さんから教わりました。
★こんな方にお奨めです♪
□幸福感を感じられない方。
□仕事に全力を出しきれない方。
□日常に刺激を感じられない方。
別冊・中谷彰宏124「変態と、呼ばれよう。」――恋人と長続きする恋愛術
「ええかっこしいだから、デッドポイントを超えられる。」と中谷さん。
好きな女の子が見ていたから完走できた。
すてきな女性ががんばっているから、自分もがんばれた。
こんな経験は、どんな男性にもあるのでないでしょうか。
そう、大きく見せようとする気持ちが、壁を破らせてくれるのです。
でも、大きく見せ方には、センスが問われます。
お金を持っている。いい学校を出ている。いいクルマに乗っている。
そんなことで大きく見せるようでは、ちょっとセンスがありません。
女性が「大きい」と思うのは、そういうことではないからです。
女性が「大きい」と思うのは、没頭している姿と意味不明の世界観。
ブリキのおもちゃのコレクション。鉄道の乗りつぶし。
どんなテーマでもかまいません。
女性が「??」と思うような趣味に没頭する姿が、
結局、「大きい」という好感につながるのです。
「大きな男」になる思考法、中谷さんから教わりました。
★こんな方にお奨めです♪
□自分を大きく見せてしまう方。
□なかなか継続しない方。
□超然とした自分を確立したい方。
ゲスト:奈良巧さん(編集者)
○「いつか悟ると思っていると、今がしんどくなる。」(中谷彰宏)
「悟りの境地」とは、いったいどんな状態をさすのでしょうか。
人生を達観したときに到達する心境でしょうか?
人間社会の真理を見据えたときに得られる世界観でしょうか?
中谷さんは、こうおっしゃいます。
「悟りの境地とは、悩んでいることも含んでいる。
階段の上にあるのではなく、今この瞬間にある。
現時点での『正解』を更新していこう。」
そう、今この瞬間での「正解」を掴み取ろうという覚悟。
これが、悟りの境地。
悟っている人は、幸せに悩み、幸せに苦しめるのですね。
○「お金持ちは、お金を意識しない。」(中谷彰宏)
「高級車に乗るために、安アパート暮らし。こういう人がお金持ち。
お金を持っていないお金持ちもいる。」と中谷さん。
お金はあくまでも、自分が幸せになるための手段にすぎません。
こう割り切っている人は、お金に振りまわされません。
そういう意味では、お金を持っていても、
失うんじゃないかとビクビクしている人は、お金持ちではありません。
「お金持ちは、今、お金があるかどうかではない。
お金持ちの精神でいるかどうかが、お金持ちの条件。」と中谷さん。
お金そのものより、お金持ちの「余裕」を意識したいですね。
○「『おいしい』と感じられる人が、幸せ。」(中谷彰宏)
メンタルを病んでいる人は、おいしさを感じにくいそうです。
窮地に立たされている人は、おいしさを味わうどこではありません。
「『おいしい』と感じられ人が、幸せ。」と中谷さんが言うように、
「おいしい」と感じられているとき、私たちは「幸せ」なのです。
「幸せ」という言葉は曖昧模糊としています。
人によっては、それが金銭によってもたらされると信じていたり、
名声や評価によって確立されると思っている人もいるでしょう。
ところが、幸せとは絶対的なものではないのですね。
心のありようの大切さを、中谷さんは語りかけているのです。
○「ダイエットして、味覚をリセットしよう。」(中谷彰宏)
ソースや醤油といった調味料をきらう子供は少なくありません。
それが年をとるごとに、だんだんきつい調味料を好むようになります。
一般には、さまざまな味を体験することで、舌が肥えるといわれますが、
じつは、子供の舌のほうが肥えているのかもしれません。
中谷さんの味覚の原点は、少年・青年時代の味。
水練学校帰りのコロッケ。予備校時代の牛丼。大学時代のカレー。
「メタボの人は、味に鈍感になっている。
ダイエットすれば、味覚がリセットされる。」と中谷さん。
ダイエットして、「少年時代の味」を取り戻しましょう。
○「思い出の食べ物で、幸せな気分になれる。」(中谷彰宏)
「『幸せな出来事』というものは存在しない。
幸せとは、自分の感じ方。おいしいと感じられる力。」と中谷さん。
袋麺のラーメンにまつわるお母さんの思い出。
大学受験のときに毎日食べた吉野家の牛丼。
給食が好きだった中谷さんは、給食っぽい食べ物が好きなのだとか(笑)。
「『おいしい』は、思い出とともになる。
楽しい記憶とつながるから、幸せな気持ちになれる。」
今回のトークで紹介された「思い出の食べ物」の数々は、
中谷さんの元気の源。ぜひ、トライしてみてくださいね。
○「ヘトヘトになれば、幸せになれる。」(中谷彰宏)
名古屋駅の高島屋にあるマイセンのヒレカツ弁当。
中谷さんの絶賛トークを聴いていたら、食べてみたくなりました。
「3日間、みっちり仕事としてヘトヘト。
その充実感の中で食べるからおいしい。
しんどいことをやらなければ、この幸せは味わえない。」と中谷さん。
同じ物を食べても、空腹を満たすために食べるのと、
充実感に満たされて食べるのでは大違い。
ちなみに、このお弁当を頬張るとき、中谷さんは、
ふだんの「とんかつ作法」とは異なる行動をとるのだそうです。
ふだんはキャベツから食べるところを、ごはんから行くのです。
「お米の味! ごはん、おいしいなあって♪」
シズル感たっぷりの食べ物紹介は、中谷さんの十八番ですね。
○「タクシーでも、美容院でも、ごちそうさま。」(中谷彰宏)
収録の締めくくり、ふだんなら、「ありがとうございました」となるところが、
今回は、思わず「ごちそうさまでした」となってしまいました(笑)。
食べ物の話題にぴったりなエンディングとなりました。
「ぼくは、タクシーでも、美容院でも、つい、
『ごちそうさま』って言ってしまうことがある(笑)。」と中谷さん。
そもそも「馳走」という言葉は、相手のために骨を折ることをいいますから、
中谷さんの「ごちそうさま」は、本来の使い方なのかもしれません。
お世話になったら、「ごちそうさま」。そんな表現が流行るかもしれませんね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美
○「ええかっこしいは、デッドポイントを超えられる。」(中谷彰宏)
「ええかっこしい」という評価は通常ネガティブな意味で使われます。
でも、中谷さんはこうおっしゃいます。
「衆人環視のなかだから、がんばれる。誰もいないところより、
モデルが走っている表参道のスポーツクラブのほうががんばれる。」
そう、ええかっこしい精神は、自分の限界を超えさせてくれるのです。
「ええかっこしい」と思われるのを怖れて成長しないか、
成長のためには、どんなふうに思われようと気にしないか。
私たちに問われているのはこの二択なのです。
○「最初の動機は、ベタでいい。」(中谷彰宏)
継続するためには、二段階の動機が必要であると中谷さん。
1つは「開始動機」。始めようという気持ちになるきっかけです。
2つめは「継続動機」。とめどもなく意欲が湧いてくる動機のことです。
「開始動機」をいかにして「継続動機」につなげてゆくか。
これが、物事の継続の上ではとても重要なのです。
たとえば、高校時代、中谷さんが所属していた空手部。
心身を鍛錬したいという高邁な理想を掲げて入部してくる人。
モテたい、強くなりたいという「ベタな動機」で入部してくる人。
この両者では、後者のほうが継続するのだそうです。
「最初の動機は、ベタでいい。」と中谷さん。
小さく始めて大きく育てるのが、継続のコツなのですね。
○「工夫なき努力をしてはならない。」(中谷彰宏)
努力というと、手放しですばらしいと思われがちですが、
それには、どうやら条件があるようなのです。
「努力は力づく。だから、結果が出ないとキレてしまう。
工夫で臨むと、次の工夫が生まれてくる。
これが継続動機になるから、長続きする。
工夫なき努力をしてはならない。」と中谷さん。
では、工夫とは何でしょうか?
工夫とは、「やり方を変えて再挑戦」すること。
そのとき問われるのが「やり方」のバリエーション。
その蓄積のために、私たちは勉強するのですね。
○「役割がある方が、会話が弾む。」(中谷彰宏)
ホームパーティーを主催するときに陥りがちなのが、
「何かしましょうか?」というお客さんの声に対して、
「いえいえ、そちらでくつろいでいてください」という返答。
人の家にいるというのは、ふつう気詰まりなもの。
初対面の人たちといっしょなら、それはなおさらです。
何もしないでいるよりも、何かしていたほうが落ちつきます。
「仕事の隙間を見つけようとすれば、役割が見つかる。
配膳係とか取り分け係とか、自分で担当してしまえばいい。
こんな役割があるほうが、他の参加者との会話も弾む。」と中谷さん。
まだ担当のいない「役割」に、自分の居場所が見つかるのです。
○「能力ではなく、役割を追求しよう。」(中谷彰宏)
何事も上手なほうがいいというのは「能力」志向。
自分の居場所を見つけようというのが「役割」志向。
能力志向に陥ると、何事も上を目指そうとして、
かえって、自分の居場所を失ってしまうことがあります。
たとえば、カラオケ。
カラオケにおける「役立ち感」は、歌の上手さにはありません。
上手いより、むしろ下手なほうが場は盛り上がるものです。
「能力は全員が持つことできないけど、役割は持てる。
役立ち感を追求していけば、役割は自然と見つかる。」と中谷さん。
自分の役立ち感が満たされる仕事や職場が天職なんですね。
○「男のコレクションは、プロセスが大事。」(中谷彰宏)
「女性のショッピング。男の買い物。」
これは、以前の別ナカで飛び出した名言の1つ。
女性は何事もおいてもプロセス志向というわけです。
ところが、男性も趣味ではプロセス志向になるのです。
「コレクションには徒労がつきもの。
男のコレクションは、プロセスが大事。」と中谷さん。
趣味の世界は、男性にとって、自分が主人公の物語。
「女性の最大のライバルは、男の趣味。」と言うのも頷けますね。
○「『変態ね』は、最高の褒め言葉。」(中谷彰宏)
「すごーい」という言葉に、男性は弱いものです。
でも、「すごーい」を求めていては、孤高の世界に到達できないようです。
「女性の歓心をひくようなマーケティングをしない特殊な価値観。
価値観がかけ離れた特殊な美意識に、女性は惹かれる。」と中谷さん。
媚びて迎合するよりも、超然とした価値をみずから創り出す。
そういう人たちにとっての最高の褒め言葉は「変態ね」。
変態、つまり理解不能と言われることに喜びを感じられる。
そんな男性に、女性は魅力を感じるのです。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美