月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

「月ナカ生活」トップ > 月刊・中谷彰宏13「未来は、反転する。」――アイデアを形にする企画術

今回のセミナー、私にとって、たいへん勉強になりました。
私は「月ナカ」をはじめ、いわゆるコンテンツビジネスの仕事をしています。
どんなものが求められているのか? 
これから、どのようなビジネス環境になるのか?
企画力を磨くには、どうしたらいいか?
こんなことを日々考えています。
こうした疑問に、中谷さんに、ビシバシと答えていただいたからです。
ビジネスの【芸術】化、【シリーズ】化、【反転】思考など、
今までの私にはなかった考え方に気づきました。
何度も聴いて、自分のものにしていきたいと思います!

  • こんな方のお役に立ちます
    1. 商品企画の仕事に携わっている人
    2. お店などを経営している人
    3. これからの時代を見据えたビジネスをしたい人
  • このセミナーで学べること
    1. 「学び」と「発見」に満ちた毎日の送り方
    2. 状況の変化に柔軟に対応する企画力
    3. クリエイティブ・オリエンテッドなものの考え方

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ13価格:1,700円(税込)
※メールでデータをお送りします。
自動配信では
ありませんので、 配信に最長1日かかります。


【iTune】価格:1800円
当店サービス版はついておりません。<(_ _)>



【CD版】月ナカ13価格:5,000円(税・送料込)


最高45%引き! 特典たっぷり! 定期受講に便利!


月刊・中谷彰宏13


「ベストワンは、どこ?」と聞くより、すべてのところから、学ぼう。

「ベストワンのホテルって、どこですか?」という質問には、答えない。
理由は、その問いそのものがおかしいから。
ベストワンを意識する人は、ベストワンからしか学ばなくなってしまう。
すべてから学ぶ――これが大切。
評判をあてにせず、自分の目で見る、自分の耳で聞いて確かめる。
これが、構想力アップの第一歩。

トライしているから、失敗がある。

不祥事を起こしたり、評判を下げたホテルから、多くのことを学べる。
この最悪状態から建て直しにがんばっている様子、これが一番勉強になるのに、評判が悪いとして、学ぼうとしない。
これは、もったいない。
トライしているからダメになっているケースもある。
トライしていないと、ダメという評判すら出ない。
だから、評判が悪いということは、逆に大きな可能性がある。
自分の代わりに、失敗してくれているのだから、しっかり学ぼう。
ディズニーだけから学ぼうとしていてはダメ。

ディズニーに行って学んだら、次は、ユニバーサルスタジオにも行ってみよう。

広げるより、絞り込む。どこまで、絞り込めるかが、勝負。

構想は、広げた段階で失敗。
構想は、広げれば広げるほど浅くなっていく。

絞り込んでいくのが、構想。
あれもこれもとやっていると、よそと同じ、その他大勢と同じ物になってしまう。
そのためには、何を捨てていくかを考える。
すべてのお客さんに来てもらいたいと思った瞬間失敗する。
その構想は、見えるか?
広げれば広げるほど、見えなくなってしまう。

狭めることで、見えてくる。

「最小限の芸術」を目指そう。

これからの時代、仕事を芸術の域に高める必要がある。
本、芝居、クルマ、歯ブラシ・・・あらゆるものが芸術化していく。
これまでは、合理化・効率化をベースとした構想。
お客様を多くする、売上・利益を追い求める――。

21世紀には、誰も求めない。

芸術、文化は、どうしたら生まれるか?
とことんこだわること。
とことんこだわり、お客様を絞り込むことで、文化が生まれる。
飲食店で言えば、8席だったらできることが、200席だとできなくなってしまう。
狭めていくことによって、芸術性が高まっていく。
「総合的」は、芸術にならない。
歌って踊れて、芝居ができるという人が、結局、勝てないように。
これからの消費者が求めるのは「芸術」。


ロジックをこえたところに、構想がある。

構想する人には、3つの顔がある――と、将棋の谷川九段。
3つの顔、それは、
研究家としての顔
芸術家としての顔
勝負師としての顔
――。
研究すれば、ロジックが生まれる。
でも、それだけでは構想ではない。
そこに必要なのが「芸術家」としての顔。
芸術家は「ただ、勝てばいい」と考えない。
どうすれば、美しく勝つかを考える。

そのビジネスは美しいのか、その戦略は美しいか
――こういう視点がビジネス、仕事に必要になってくる。

20世紀までは、こういう観点はなかった。
「より安く」を考えればよかった。
しかし、市場が成熟すると、求められるレベルが上がってくる。
だから、芸術性が不可欠になる。
美的センスが必要になる。

ムダをなくす。
力みをなくす。
ムダ、力みは美しくない。

勝負師は、ただ敵に勝てばいいというわけではない。
勝負のあとに、「参りました!」と尊敬されなければならない。
これをビジネスに置き換えると・・・
「高かったけど、すばらしい」
――ということになる。
お客様との勝負の後に、尊敬の念を獲得できるのが勝負師。

勝負師のもう一つの要素は、勝率が5割を切っても勝負すること。
みんながやらないことをやる。
火中に栗を拾う。
ピンチの中でよりいきいきやる。
景気、ピンチ、逆風でもやる。
そのためには、勇気が必要。
構想する人間は、このような一見矛盾した要素が必要。

延長線ではなく、反転の中で探す。

サッカーは、構想のゲーム。
攻められている時に、攻めを考える。
そして、攻めている時に、守りを考える。
いつ状況が変わるかわからない。
つまりいつ「反転」するかわからないという覚悟がそこにある。
構想は、反転を前提に行われる。
今、守りだけど、いざ攻めになったらを、今のうちから考える。
先端的な企業では、女性消費の時代は終わる、という想定で動いている。
そのうち男性消費の時代がやってくる。
こういう時代を見越して、今から準備している。

今の延長線上に、構想はない。
今流行っているものの後追いはしない。

構想は、物事や未来を反転させて考える力。

反転が、相次ぐ時代――
成功は失敗に、失敗は成功に、
不利な条件は有利になり、有利な条件は不利へと、
反転を繰り返す。
こんな時代、
ボールがなくても走り込めるか?
逆サイドへの切り返しができるか?
短所は何?
――そこから「強み」が見えてくる。

たとえば、ゴールドの鉱脈が発見された。
「ゴールドラッシュだ! 金を掘り当てよう!」

――これは、延長線上の考え方。
ここで、カジノを始める――なんて、いかがだろうか?


デザインを先にして、中身を後で作る。

これまでは、デザインはおまけだった。
反転の時代、デザインがメインになった。
これからは、まず、デザインを考える。
デザインとは、お客様とのコミュニケーション。

昔は機能さえよければ、デザインはどうでもよかった。
今は、そうではない。
機能が良くて、値段が安くても、買わない。
機能からデザインするのではなく、デザインから機能を考える時代。
デザイナーと職人、技術者が一体化していく。

タイトルを決めてから、中身を決める。

デザインを考えると、中身が決まる。
アダルトビデオは、パッケージ勝負、タイトル勝負。
にっかつロマンポルノのタイトルを考えるバイト時代。
未亡人、団地妻、女子高生――タイトルが決まってから、女優、監督、脚本を決めていた。
中谷本は、タイトルを先に決める。
このタイトルなら、カバーは何か? 中身は何か?――を考える。

第2弾を考えてから、第1弾を作る。

1冊の本だけで、デザインしない。
2冊目、3冊目を念頭に置いてデザインする。

そうしなければ、後になって、「ああすればよかった」となる。

構想力は、シリーズ化力。

たとえば、「メンタツ」。
1989年時点で、すでに年度版にしようと考えていた。
就職版、転職版と分冊化も。
地球の歩き方を吸収合併してしまおう、と。



継続する楽しみを作ると、プロセスを楽しんでもらえる。

達人シリーズの企画が上がったとき、
「とりあえず中谷さん、200冊、書いてもらってー」――と東さん。
そこで、1500冊分のタイトルを考えた。
そして、毎月1冊ずつ出していった。
企画を作るとは、タイトルを作ること。
「おまけ」から考える。中身はあと。
商品があって、コマーシャルを作る――というのが一般的。
しかし、コマーシャルを先に作ってしまおう。

それから、商品を考える。
これが、
デザインオリエンテッド。
クリエイティブ・オリエンテッド。

企画を、点から線、線から面、面から立体にしていく。

コマーシャルは、継続すると効果が上がる。
単発のコマーシャルは、効果が低い。
JR東海の「そうだ、京都行こう」のCMがいい例。
お客さんは、飽きっぽいけど、浮気っぽくない。

構想は、広げるのではなく、つなげていくこと。

夏休みのラジオ体操――カードがあるから、惹きつけられる。
継続できることが、楽しみになる。
単発でない、点ではない。線になる。
線、面、立体にできるかを考えるのが構想。
企画が当たってから考えるのではなく、最初に考えてから始める。
本棚に並んだときどうなるかを考えて、本の企画を考える。
バラバラに考えないで、繋げていく。
広げるのではなく、繋げていくのが構想力。