月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

じつは銀座は「商店街」だった。

銀座に学ぶ、中谷流「粋人」作法。

月刊・中谷彰宏189「銀座は、人を大人に育てる。」――銀座の粋人

銀座「月光荘画材店」の創業者・橋本兵藏。
大正時代、東京に出てきて、書生をしていました。
向かいの家の与謝野鉄幹・晶子夫妻に可愛がられて、
出入りするうちに、洋画家たちの嘆きが耳に入ります。
「フランス製の絵の具が手に入らない……」
兵藏は、この人達のために画材屋をやろうと決意。
「銀座は、日本文化の入り口。大人の入り口。
入り口を間違えると、終わり。」と中谷さん。
大人への入り口、中谷さんから伺いました。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏189

【データ版】月ナカ189 価格:1,700円(税込)

※メールでデータをお送りします。

自動配信ではありませんので、配信に最長1日かかります。

【CD版】月ナカ189 価格:5,000円(税・送料込)

最高45%引き! 特典たっぷり! 定期受講に便利!

○「銀座のお店には、あるじがいる。」(中谷彰宏)

「銀座の店には、あるじがいる。旦那がいる。
大旦那がいる。「父です」と出てくるのが銀座。
書き入れ時の日曜日でも、家庭のために店を閉める。
顧客満足ではなく、従業員含めての家族満足を最優先。
人に会いに行くのが銀座という街。」と中谷さん。
そう、銀座は「商店街」だったのです。
全国の商店街が「○○銀座」と名乗っているのも、
じつは、このあたりが理由なのかもしれませんね。

○「銀座は、ぶらっと行く街。これが銀ブラ。」(中谷彰宏)

銀座は「商店街」。これは、驚きの指摘です。
「チェーン展開しない。ポイントカードもない。
入れるかわからない、開いているかもわからない。
ちょっと立ち寄って、近況報告や昔語りをして帰る。
銀座は予約して行く街じゃない。ぶらっと行く。
これが本来の銀ブラ。アポなしが基本。」と中谷さん。
「銀座」を楽しむために、常連になることですね。

○「常連さんは、流す店を持っている。」(中谷彰宏)

「予約してくる人は、長居する。写真を撮るから。
常連さんは、長居しない。混んでいたら、またにする。
常連さんは、流す店を持っている。」と中谷さん。
流す店があるというのは、地元の人ならではのもの。
銀座に行くか、銀座に暮らすかで、行動は違ってきます。
銀座の住人としてのマナーを身につけたいですね。

○「銀座には、空がある。」(中谷彰宏)

「銀座には、空がある。空がなくなると、街は死ぬ。
空中権を、銀座の粋人たちは売らなかった。」
このくだりで印象的だったのは、世代を超えた教え。
銀座「煉瓦亭」4代目の木田浩一朗さんは、
商売をお祖父様から教わったということです。
創業者の曾祖父さんは、上野の万国博覧会を見たときに、
西洋料理に開眼。さらに「これからは銀座だ」と確信。
こうした代々の物語も、銀座ならではの味わいですね。

○「銀座の職人は、サービスマン。」

シベリアに抑留された、銀座ボーグの当時のご主人。
職業を尋ねられ、帽子職人ではなく散髪屋と答えました。
「機転が利くし、職人だから器用にやってしまう。
早く帰国するために、赤化されたふりもした。
職人は頑固というけれど、銀座は違う。サービスマン。
ブレがないから、融通がきく。」と中谷さん。
職人技とサービス精神が融合したのが「銀座」なのですね。

○「会話力のある人は、タメ口。」(中谷彰宏)

「ライターにしても、タクシーの運転手さんにしても、
技術より会話。会話力のある人は、タメ口。
いきなり懐に入る。へたにまねすると、失礼になる。
お客様ではなく家族として遇するのが、銀座。」と中谷さん。
接待の真髄、それは家族待遇。
銀座での接待を通じて体得すべきは、家族待遇なのですね。

○「銀座は、大人の世界への入り口。」(中谷彰宏)

「たとえば、月光荘でポストカードを買うとする。
僕は、比較しない。最初に目についたものを手に取る。
入れ替えたものには、邪念が入っている。
覚悟、美意識、価値軸が問われている。」と中谷さん。
ちなみに、橋本兵臧は、与謝野晶子から、
「画材屋はおやめなさい。婦人下着をおやりなさい」
とたしなめられたそうです。でも、直感に従いました。
晶子の洞察も素晴らしいですが、兵藏の確信もすごい。
銀座にまつわる麗しいエピソードですね。

**

月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美