月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

「おいしい!」だけでは、会話がもたない。

「物語」で盛り上がる、洋菓子列伝。

月刊・中谷彰宏186「物語の共有で、仲良くなれる。」――『洋菓子』

「おいしい」「うーん、ちょっと」は、しょせん主観。
それぞれの主観をぶつけあっても、会話は豊かになりません。
より上質な語らいを楽しむためには「物語」。
ミルフィーユでは「千人の女の子」。正確にはミルフイユ。
郷土料理だったガレットを、今日のかたちに変えた王朝貴族。
それに生クリームをのせて、世界を驚かせた原宿のクレープ。
捕虜で来日したユーハイムの不撓不屈のド根性物語。
人物伝、由来、蘊蓄――盛り上がる会話は、共感がベース。
洋菓子をめぐる「物語」、中谷さんから伺いました。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏186

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○「『おいしい!』では、会話が止まってしまう。」(中谷彰宏)

料理を前にしての会話は「力量」が如実に表れます。
「おいしいしか言えない。甘すぎなくていいですよね。
これでは、会話が止まってしまう。
料理の由来や物語を知っていれば、会話は盛り上がる。」と中谷さん。
ショートケーキの「ショート」の由来。
ビクトリア女王とスイスロールの物語。
こんな知識があると、味わいが一段と深まりますね。

○「ミルフィーユではなく、ミルフイユ。」(中谷彰宏)

「千枚の葉っぱという意味で言えば、ミルフイユが正しい。
フィーユとは女の子。ミルフィーユでは、千人の娘さん。
多くの女の子に大人気というのも、面白いけど。」と中谷さん。
イチゴが帽子に似ていることが由来ともいわれるナポレオン。
明治初期に発売されたときは、サクランボだったそうです。
でも、サクランボは季節限定。通年商品にするために、
イチゴに変更したのだそうです。
食べ方の難しいミルフイユ、横倒しはセーフですが、
剥がすのはアウトなのだそうです。注意したいですね。

○「料理は、失敗から生まれる。」(中谷彰宏)

「あるとき、そば粉でつくったお粥をこぼしてしまった。
太陽で焼けた石の上だったので、固まってしまった。
これがガレット。料理は、失敗から生まれる。」と中谷さん。
コーンフレーク、チョコチップクッキー、ウスターソース、
ポテトチップス、アイスキャンディー、さらには柿の種。
これらは、いずれも失敗の産物。
失敗を失敗で終わらせないためには、とりあえず味わうこと。
その勇気から、新しい味わいが生まれるのです。

○「クレープに生クリーム。世界は驚いた。」(中谷彰宏)

素朴な郷土料理だったガレットが、ついに宮廷デビュー。
ブルボン朝の貴族たちが、ガレットを進化させていきました。
「そば粉を小麦粉に変えた。牛乳、卵、バター。
さらに、砂糖も入れてよ、ということになった。
これがクレープ。1976年に、日本に上陸。
生クリームをのせて、世界中を驚かせた。」と中谷さん。
さまざまな工夫が、料理を進化せていくのですね。

○「ビスケットは、イギリス海軍の兵糧だった。」(中谷彰宏)

「パンは2回焼くと、保存性が上がる。
だから、ビスケットはイギリス海軍の兵糧だった。
小腹がすいたから、おやつで食べるようなものではなく、
がっちりカロリーを補給するために食べた。」と中谷さん。
ちなみに、ビスケットとクッキーの違いは、糖分・油分の度合い。
40%以上がクッキー、以下がビスケットということですが、
世界的に混同されているのが実情のようです。

○「フォーチュンクッキーは、金沢発祥。」(中谷彰宏)

「フォーチュンクッキーの原型は、金沢の辻占煎餅。
文字通り、占いの紙が入っている煎餅のこと。
1894年の国際見本市に向けて造られた日本庭園。
これを設計した萩原眞が、訪れた人たちに出したお茶請け。
これが、アメリカ全土に広がった。」と中谷さん。
その後、第二次大戦時の日系人排斥を受けて、
中国人のレストランで供されるようになったそうです。
お菓子の来歴から、歴史を学びましょう。

○「お菓子は、平和な時代に食べられるもの。」(中谷彰宏)

バウムクーヘンは、ドイツの田舎のお菓子の一つでした。
第一次大戦後、捕虜として日本に連行されたカール・ユーハイム。
解放後も日本に留まることを決意し、家族も呼び寄せました。
横浜で「E・ユーハイム」を開店して、繁盛させます。
ところが、そこに関東大震災。全財産を消失してしまいます。
「お菓子は、平和な時代に食べられるもの。
カール・ユーハイムは、くじけない。根性がある。
神戸に移って再起を果たした。」と中谷さん。
こんな物語一つで、お菓子の味わいが変わってきますね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美