月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

戦争と芸術。

絶対王政に見る、王様の孤独。

中谷版・フランス興亡史。

月刊・中谷彰宏182「最後は、リラックスできる女性の勝ち。」――『ポンパドール夫人・デュバリー夫人』

今回登場するのは、ポンパドール夫人とデュバリー夫人です。
いずれも「最愛王」ルイ15世の治世に大きな影響を与えました。
驚くことに、2人とも「正妻」ではありませんでした。
いわゆる人妻でしたが、「公妾」として王朝に君臨したのです。
「奥さんを国王の愛妾にできれば、夫は出世する。
未婚女性を愛人にするのは、むしろ不道徳。」と中谷さん。
現代人にとって、違和感だらけのブルボン朝時代。
だからこそ見えてくる、教養と根性の尊さ。
教養と根性の磨き方、中谷さんから教わりました。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏182

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ182 価格:1,700円(税込)

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○「ロココ芸術のパトロンは、ポンパドール夫人。」(中谷彰宏)

ポンパドール夫人は、ルイ15世の時代、権勢をふるいました。
彼女は平民の出でしたが、その教養と社交は超宮廷レベル。
モンテスキューと文学を、ヴォルテールと哲学を論じたといいます。
死後残された蔵書は3500冊ともいわれるほどの読書家。
「最愛王」ルイ15世の心をつかんだのは、その教養だったのです。
「ロココ芸術のパトロンは、ポンパドール夫人。
美貌と教養で、みずからロココの華となった。」と中谷さん。
ポンパドール夫人から学ぶべきは、教養だったのです。

○「20年間、毎日2時間、バレエの練習をしたルイ15世。」(中谷彰宏)

ルイ15世は、わずか5歳で王位に就きました。
いうならば、生まれながらの王様という人物でした。
名宰相に恵まれて、政治よりも恋愛やバレエに熱中したルイ15世。
「7歳から27歳までの20年間、毎日2時間バレエを練習した。
観るのではなく、王様みずからが踊る。だからリスペクトされた。
バレリーナへの生涯年金も初めて導入した。」と中谷さん。
一方で、治世中5回ものデフォルトしたルイ15世。
よくも悪くも、ブルボン王朝の爛熟を体現した王様でした。

○「パリは暗い。ヴェルサイユ宮殿は、キンキンに明るい。」(中谷彰宏)

ヴェルサイユ宮殿といえば、ルイ14世の富と権力の象徴的存在。
しかし、「太陽王」の幼少期は、安泰なものではありませんでした。
「ルイ14世は少年時代、貴族たちに命を狙われたことがある。
そこで、パリから離れた場所に王宮を建造し、そこに集住させた。
王は太陽。鏡に光を当てて、太陽をイメージさせた。
ルイ14世は、神になろうとしていた。」と中谷さん。
絢爛豪華、ルイ14世の栄光が15世の土台をなしていたのですね。

○「仕事好きのリーダーは、仕事を任せられない。」(中谷彰宏)

太陽王・ルイ14世は、ギネス記録の72年という在位期間を誇ります。
中央集権と重商主義政策を推進して、フランスを一大強国にしたルイ14世、
数々の戦争を戦い、積極的に領土拡張に乗り出しました。
内政でも、ヴェルサイユ宮殿の造営からミディ運河を建設するなど、
「朕は国家なり」という言葉の通り、絶対王政の体現者でした。
「ルイ14世は、仕事が好き。なんでも自分でやってしまう。
でも、リーダーは部下に任せないと。」と中谷さん。
専制君主政治の末路でしょうか、結局、ルイ14世の積極策は、
つぎのルイ15世の時代に、莫大な財政難をもたらしたのでした。

○「男らしさの証明手段は、芸術と戦争。」(中谷彰宏)

ジェンダーフリーが叫ばれる時代ですが、
男性は、やはり「男らしさ」にはこだわりがあるようです。
でも、そのこだわりが美をはぐくむこともあれば、
悲劇をもたらすこともあると、ルイ14世から学ぶことができます。
「芸術で、王の威光をつくろうと夢中になった。
宮殿を豪華にして、贅を凝らす。
男らしさの証明手段は、芸術と戦争。」と中谷さん。
「いいところ」見せるのなら、芸術にしてもらいたいですね。

○「マリー・アントワネットが声をかけたのは、一度だけ。」(中谷彰宏)

ルイ15世の公妾・デュバリー夫人。
漫画「ベルサイユのばら」では、マリー・アントワネットと対立、
傲慢で意地悪なキャラクターとして描かれています。
「マリー・アントワネットが声をかけたのは、一度だけ。」と中谷さん。
一時期、娼婦に落ちぶれてから、成り上がったデュバリー夫人。
じっさいは、人柄もよく宮廷でも人気があったといいます。
老齢のルイ15世にとって、リラックスできる存在だったようです。

○「サンソンは、死刑反対の死刑執行人だった。」(中谷彰宏)

「パリの処刑人」アンリ・サンソン。
ルイ16世、マリー・アントワネット、幾多の貴族たち、
そしてデュバリー夫人。サンソンは、むかし夫人の恋人でした。
「デュバリー夫人のように泣き叫べばよかったのだ。
そうすれば、人々は事の重大さに気づき、
恐怖政治も早く終わっていたのではないだろうか」とサンソン。
敬愛するルイ16世の血のついたハンカチを密かに持ち帰り、
亡き国王のためにミサを行ったというサンソン。
死刑反対主義者のサンソンの人生ドラマは悲痛そのものです。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美