料理を前にして、まず最初に、香りを味わっていますか?
「香り」から始められる人は「満足」を得られる一方で、
いきなり食べ始める人は「満腹」に走ってしまうものです。
視覚情報がメインになった現代社会、おろそかになったのが「香り」。
料理を味わうのも、ネットからの視覚情報だのみです。
パートナーを選ぶのも、スペック中心の数値情報に傾斜しがち。
「好き嫌いの感情も、香りで決まる。
においで決めれば、間違いがない。」と中谷さん。
退化してしまった「嗅覚」を取り戻す方法、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□自分の「におい」に鈍感な方。
□いい「におい」を発したい方。
□いい「声」を発したい方。
中谷さんのジャケットには、衣装用匂い袋が入ってます。
京都松栄堂の天花粉。名刺にも香らせているのだそうです。
「庭の金木犀もあれば、スナックのトイレの金木犀もある。
雨の匂いは、土の中の細菌が立ち上がった匂い。
いい香り、悪い香りというものはない。
香りは、楽しい思い出や記憶を連想させてくれる。
香りには、ストーリーがある。」と中谷さん。
香り、匂い、ニオイ――分別するのは、私たちの感性なのですね。
料理が出された時、いきなり食べ始めていませんか。
これからは一拍おいて「におい」を堪能しましょう。
「においを嗅ぐことで、満足感が得られる。
いきなり食べ始める人は、満腹にいってしまう。
だから料理を作る人は、太らない。」と中谷さん。
五感のなかで最初に動き始めるのは、嗅覚とのこと。
嗅覚より前に、視覚や味覚を起動させてしまうと、
せっかくの「におい」が台無しになってしまうのです。
先日のジャケット撮影を行ったのが、パークホテル。
ヒノキの香りがとても印象的でした。
最近のホテルは、香りを活かす工夫を重ねているのだとか。
会話がはずんで楽しくなる。ゆったりとした気分ですごせる。
そんな「感情」をもたらすのが「香り」。
「好き嫌いの感情も、香りで決まる。
においで決めれば、間違いがない。」と中谷さん。
嗅覚とは、直感そのもの。磨いていきたいですね。
無気力の原因は「無関心」でした。
興味を持てない、興味があることを持っていない。
そういう人が気力を失っていくのです。
「香りに関心のある人は、全てに関心がある。
香りに関心のない人は、全てにない。」と中谷さん。
私も「香り」に興味があると胸を張って言えませんでしたが、
「興味がある」と言い切ることで、気がみなぎってきました。
五感の一つ。なぜ「嗅覚」があるのでしょうか。
「1つめは、餌を発見するため。生きるため。
2つめは、パートナーを発見するため。子孫を残すため。
匂いが好きというのが、本物。」と中谷さん。
餌を見つけられない男をパートナーにしない。
そういう男性を見抜くために発達したのが「嗅覚」。
匂いで判断するのが直感的。嗅覚を磨きましょう。
ワイン会での講評には、毎回驚かされます。
なめし革、麝香、タール、腐葉土、ヨードというのもあれば、
「雨に濡れた子犬のにおい」というものまで語られます。
「平安文学では、色と香りの表現しか出てこない。
視覚中心の生活になってきている現代、香りの感覚が鈍化している。
香りの感覚を鍛えるためには、良いレストランにたくさん行くこと。
いいレストランは、香りのミュージアム。」と中谷さん。
視覚情報で唯一表現できないのが「香り」です。
「香り」を言語化できる人になりたいものですね。
中谷さんの文章の秘密は「接続詞」にありました。
「接続詞がなければ、パルスが生まれる。つまりラップ。」
接続詞が入ると、リズムが消える。」と中谷さん。
一方、中谷さんのトークの秘密は「ドンシャリ」。
高音域と低音域が混ざっている音で、たとえるなら笛と太鼓。
「立川談志師匠の「うぅー」、これ大事だよね。
僕が時々入れる「うん」。これも言霊を生み出している。」
接続詞をなくして、「うん」を噛ませてみる。
そうすることで、言葉にエネルギーがこもるのですね。
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