月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

LGBTより、よっぽど深い!?

衆道で読み解く、中谷流・禁断日本史。

月刊・中谷彰宏170「美しさは、力にまさる。」――衆道の美意識

「衆道」という言葉を知っている方は、かなりの歴史通かも。
いまでいえば「LGBT」の「GB」に相当するのでしょうか。
日本の歴史を紐解くと「衆道」はきわめて一般的でした。
それよりも、強固な紐帯、さらには雅で麗しい絆というレベルでした。
「関白藤原頼通もリバーシブルだった。
森蘭丸と信長は対等な関係だった。」と中谷さん。
つい目を背けがちな「衆道」から見えてくる日本人の人間関係史。
「至上の愛」を感応する心得、中谷さんから伺いました。

★こんな方にお奨めです♪

□「衆道」に偏見を持っている方。
□日本史の奥深い部分に触れたい方。
□「美」を希求する精神を体得したい方。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏170

本編の一部を無料試聴いただけます。

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○「衆道が、日本の文化を支えていた。」(中谷彰宏)

「おちごさん」を「御稚児」に変換できる人は稀でしょう。
御稚児とは、一般的には、お寺の法要などに参加する子供たち。
でも、ここでいう御稚児さんの役割は3つ。
「舞や楽器を行う。食事(喝食)を担当する。
3つめは、お坊さんの添い寝をする。」と中谷さん。
女犯は厳しく禁じられた仏教者。しかし、衆道は別でした。
勉学を究めるための必要悪とされていたのです。

○「男性、女性、そして美少年が存在していた。」(中谷彰宏)

すっかり市民権を得たBLこと、ボーイズ・ラブ。
でも同性愛に対しては、抵抗のある方が少なくないはず。
「日本には伝統的に、男性、女性、そして美少年が存在した。
関白・藤原頼通は愛妻家。奥さんも大事にしたけど、彼もいた。
奥さんも、それを公認していた。そんな時代。」と中谷さん。
BL現象は、平安時代への先祖返りなのかもしれません。
生理的好悪とは別に、現代を客観視するのも大事ですね。

○「森蘭丸は、主人信長と対等だった。」(中谷彰宏)

「平安時代は、ご主人様との圧倒的な上下関係。
でも、戦国時代は対等。信長と森蘭丸は対等だった。
男同士の愛で結束した。薩摩兵の強さは、兵児組にあった。
体でだけでなく、精神で結ばれていた。」と中谷さん。
ところが西南戦争後、キリスト教的価値観の流入によって、
武士的男らしさは衰退していきました。
没後50年。噂の絶えない三島由紀夫が目指したのは、
そんな「武士」の世界だったのかもしれませんね。

○「遊郭は女性、芝居町は男性が春を売っていた。」(中谷彰宏)

江戸時代には、何度も「禁制」が出されました。
奢侈や博打、遊郭ならともかく、芝居小屋がなぜ禁止に?
「遊郭は女性、芝居町は男性。陰間とは男娼。
売れたら舞台で春を売れる。売れない間は、陰間で春を売る。
天保の改革で、江戸の風紀を乱すとされて取り締まられた。」
これには、長年の謎が解けたと、奈良さんもびっくり。
テレビの歴史ものでも、ここまでは実相に肉薄できませんね。

○「衆道は、茶道、華道、武道と並ぶ四大道。」(中谷彰宏)

「衆道は、茶道、華道、武道と並ぶ四大道の一つ。
江戸時代の『男色大鑑』という本には、こう説かれている。
優しさと奉仕、風流心と品格、損得勘定を捨てろ。
すばらしいよね。衆道は道だったんだね。」と中谷さん。
体系化された芸と美学が「道」。ならば、衆道も道。
今まで、誰も語ってこなかった禁断の日本史。
教養とは、教科書以上の物語を体得することなのですね。

○「平和になって、武から美へと回帰した。」(中谷彰宏)

昭和の時代は「男は中身」。外見を気にするのは男ではない。
そんな時代でした。ところが、いつの頃からか時代は反転。
「ただし、イケメンに限る」という風潮になっていました。
「平和になって、武から美へと戻った。」と中谷さん。
平安時代由来の「美」至上の時代に回帰したというのです。
そう考えると、少し前のビジュアル系からBLという流れは、
男性が「美」を追求する世相は、平和な時代の象徴なのですね。

○「無駄だけど、不可欠なのが美。」(中谷彰宏)

「美」を追求するのが芸術。芸術こそ、不要不急の極み。
同じく、同性愛は「不要不急」。子孫を成すことない営みは、
無駄であるとして、古今東西、宗教的にも批判の対象でした。
「愛の時代はなく、システムの時代になってしまった。
衆道は生殖には無駄だけど、愛があった。
無駄だけど、人間にとって不可欠なものが美。」と中谷さん。
唐突に始まった「衆道」ですが、行き着いた先は「芸術」。
「芸術」というものの本質を実感させられました。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美