月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

あふれる情念は、詩に昇華。

SMで学ぶ、中谷流「詩」朗読術。

月刊・中谷彰宏166「唇に、詩を口ずさもう。」――ドMを楽しむ生き方術

SMとは「人生の達人」の作法なのかもしれません。
両極を極め、臨機応変・縦横無尽に、役割を演じきる。
明治の文豪・谷崎潤一郎は、時にはS、時にはMを演じました。
その作品は、一部から色物扱いされますが、それは残念なこと。
「通俗的なテーマを、古典的な文体で書く。
書いていることは耽美主義ではなく、自然主義。
エロを、古典的な文体で、耽美的に描くのが谷崎文学。」と中谷さん。
アンプロンプチュ(即興プレイ)とページェント(野外プレイ)。
谷崎潤一郎が描いた官能の世界は、エロを超越した美の世界。
明治の文豪から、縦横無尽に生きるすべを学びましょう。

★こんな方にお奨めです♪

□詩を味わいたい方。
□SMの本質を理解したい方。
□文豪たちの情念にふれたい方。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏166

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ166 価格:1,700円(税込)

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【CD版】月ナカ166 価格:5,000円(税・送料込)

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○「狭ければ狭いほど、共感できる。」(中谷彰宏)

中谷さんが詩に開眼したのは、恋愛体験がきっかけでした。
「詩が好きになるって、なんだろうね。
思えば、片思い。この時、すでに詩にはまっていた。
『そうそう、その気持ち、なんでわかるの』って。
表現は狭ければ、狭いほど共感できる。」と中谷さん。
愛情、友情、仕事、そして革命――
世の中には、燃えられる対象はいくらでもあります。
燃える心を、いつまでも持たせてくれるのが詩なのですね。

○「詩は、一行目が勝負。」(中谷彰宏)

中谷さんの心を鷲づかみにしたのが、佐藤春夫の「別離」。
「人と別るる一瞬の 思ひつめたる風景は
松の梢のてつぺんに 海一寸に青みたり――
詩は、一行目が勝負。頭サビ、これはつらい。
自分の身の上に置き換えて、一手目で長考してしまう。」
まだ、つきあってもいない彼女との別離を妄想して苦しむ。
中谷さんの想像力の源泉は、詩にあったのですね。

○「詩には筋がない。場面があるだけ。」(中谷彰宏)

フランス映画を鑑賞するコツは、一つの場面を味わうこと。
これは映画の「別ナカ」で、繰り返されるメッセージです。
同じことは、詩についてもいえるようです。
「詩には、筋がない。場面があるだけ。
勝手なストーリーを描いて、自分の人生を投影する。
共感して握手するのが、詩の味わい方。」と中谷さん。
詩を学んで、自分の「場面」を味わい尽くしましょう。

○「聖母と娼婦に憧れる。これがSMを生む。」(中谷彰宏)

ノーベル文学賞候補に7回もノミネートされた谷崎潤一郎。
「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」などの作品で知られています。
「聖母を求める気持ちと、同時に、娼婦を求める気持ち。
これは文学芸術の基本。これがSMを生んだ。」と中谷さん。
妻・千代子を、弟子の佐藤春夫に引き取ってもらい、
みずからは。妻の妹・せい子に心奪われる谷崎潤一郎。
ドSとドMを、相手次第で、自在に行き来する谷崎。
谷崎の恋愛は、SMプレイそのものだったのですね。

○「エロを、古典的な文体で書くのが谷崎文学。」(中谷彰宏)

<私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、
出来るだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いて見ようと思います。>
これは「痴人の愛」の冒頭です。ナオミのモデルは、最初の妻の妹のせい子。
「通俗的なテーマを、古典的な文体で書く。
書いていることは耽美主義ではなく、自然主義。
エロを、古典的な文体で、耽美的に描くのが谷崎文学。」と中谷さん。
貞淑と奔放をアウフヘーベンしたのが、谷崎が恋い焦がれる聖女なのですね。

○「『恋愛とは共犯。愛とは闘争』と佐藤春夫は言った。」(中谷彰宏)

谷崎潤一郎と佐藤春夫。2人の因縁の関係は、人々の耳目を集めました。
谷崎の千代夫人をめぐって絶交した「小田原事件」。
その後、谷崎は夫人を佐藤に譲ることを発表した「細君譲渡事件」。
<女を知るということは、一つの世界を知ることだ。
恋愛とは共犯。愛とは闘争であり、力強い者の前に、
よろこんで征服されることだ>とは、佐藤春夫の言葉。
千代夫人を通じて乱反射していた2人ですが、
結局、似た者同士が役を変えながら演じていたのですね。

○「詩は、音楽。声に出そう。」(中谷彰宏)

「詩がわからないという人は、声に出してみよう。
そうすれば、勝手にメロディーがついてくる。
目ではなく、耳で味わうのが詩。詩は音楽。」と中谷さん。
中谷さんの「秋刀魚の歌」の朗読は聴き応えがあります。
あはれ
秋風よ
情あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉に ひとり
さんまを食ひて
思ひにふける と。
ぜひ、詩の世界を「音」で体感してみてくださいね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美