月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

エロではなく、愛。

春画で確立する、中谷流・浮世絵鑑賞術。

月刊・中谷彰宏161「春画」――勉強しないと、妄想はできない。

「春画」――ためしに検索してみると、心温まる夫婦和合の絵。
エログロという先入観は吹き飛び、むしろ心温まる芸術の世界。
鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重。
名だたる浮世絵師たちが、モードを変えて挑んだのが春画。
「春画は、古典を踏まえている。教養がないと味わえない。
描かれている花火や桜にも、それぞれメッセージがある。
着物の着方一つで、属性がわかる。」と中谷さん。
目を背けていた春画に、じつは芸術と愛の本質があったのです。
春画を通じて浮世絵に目覚める方法、中谷さんから伺いました。

★こんな方にお奨めです♪

□春画芸術を鑑賞したい方。
□浮世絵作家の世界を味わいたい方。
□出世する女性の共通点を知りたい方。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏161

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ161 価格:1,700円(税込)

※メールでデータをお送りします。

自動配信ではありませんので、配信に最長1日かかります。

【CD版】月ナカ161 価格:5,000円(税・送料込)

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○「春画鑑賞には、教養が必要。」(中谷彰宏)

鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、
葛飾北斎、歌川広重――浮世絵界の「ビッグ6」です。
このなかで、春画を描いていないのは写楽だけ。
春画は、じつは名だたる絵師が描いていたのです。
「春画には、著名な絵師の落款がこっそり入っている。
性器のありなしの2バージョンで描かれていたりする。
知性がないとわからない。古典を踏まえているから。」と中谷さん。
春画を通じて、江戸時代の気分と芸術を体得しましょう。

○「大きく描くことで、比較を否定している。」(中谷彰宏)

春画では、男性器は大きく描かれます。それもかなり。
「ウタマロ」と世界で誤解(?)されているのはご承知のとおり。
「性器を大きく描くことで、比較を否定している。
セックスは子孫繁栄、五穀豊穣の営み。
男性器を大きく描くことは、縁起のいいことだった。」と中谷さん。
大きく描くことで、サイズという、つまらない尺度を除外できます。
「性器」から離れることが、春画鑑賞の第一歩なのですね。

○「愛情を描くのが春画。ポルノとは違う。」(中谷彰宏)

2015年に開催された、永青文庫美術館での「春画展」。
意外なことに、来館者は圧倒的に女性だったそうです。
「春画では、レイプは描かれない。遊郭が描かれることも少ない。
描かれるのは、夫婦愛の楽しさと愛情。ポルノとは違う。」と中谷さん。
性がオープンにならざるを得なかった江戸時代の庶民。
セックスは包み隠すより、楽しみ笑いあうものだったようです。
ちなみに、閻魔様は奥さんを悦ばせた人を極楽往生させたとか。
セックスは、人々の平和と幸福の象徴だったのですね。

○「水や船は女性器の象徴。花火はエクスタシーの象徴。」(中谷彰宏)

浮世絵、とりわけ春画鑑賞には「お約束」が重要。たとえば、
「岩、灯籠は男性器の象徴。水、船は女性器の象徴。
ほっかむりは駆け落ち。花火はエクスタシー。桜は処女。
お武家の御内儀、町娘、そして女郎さん。
着物の着方一つで、どんな属性の女性かわかる。
服を着ていることで、妄想がふくらむ。」と中谷さん。
春画は「周辺情報」に本質があったのですね。

○「彫師は、陰毛にこだわった。」(中谷彰宏)

「戦国武将は兜に春画を忍ばせた。いわゆる勝ち絵。
出征兵士は、奥さんの陰毛をお守りに入れて戦地に赴いた。
陰毛は縁起物。彫師は、陰毛にこだわった。1センチに40本彫った。
ゲイ、ローションプレイ、ひとりエッチ、ツインディルド。
エクスタシーはどこで表現するか。それは指の反り返し。」
もう私からは、何も補足することはありません。
「春画」で検索すれば、たくさん鑑賞できますよ。

○「フランスでは、恋愛沙汰は罪に問われなかった。」(中谷彰宏)

「フランスには、法廷映画が少ない。
恋愛ごとにおける犯罪は無罪。罪に問われなかった。
平安貴族の間では、人妻がもてはやされた。
コンプライアンスが問われれば、源氏物語は成り立たなかった。
だからといって自由というわけでではない むちゃくちゃ不自由。
寛大で不自由――これが一番燃えるパターン。」と中谷さん。
仕事も恋愛も。人生に彩りを与えるのは「制約」なんですね。

○「セクシーで、知性のある女性が出世する。」(中谷彰宏)

「朝の儒教、夜の道教。セックスでエネルギーを充填する。
中国の後宮三千人。面接官は皇帝自身、いきなり社長面接。
採用基準は頭のいい子、勘の働く子。ルックスより知性が尊ばれた。
一方の日本。平安時代の女子力は、セックスアピール。
料理、裁縫、子育ては、平安貴族にとって魅力的ではなかった。
和歌には、知性が表れた。セクシーな言葉は、縁起がいい。」
言葉の選び方、使い方が、知性そのものだったのですね。
セクシーな言葉遣いを学びたいですね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美