月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

不倫も、非常識も関係ない。

必要なのは「自分の評価」。

前衛芸術家に学ぶ、中谷流・自信獲得術。

月刊・中谷彰宏159「エドヴァルド・ムンク」「ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ」――自信がないと言える自信を持とう。

フォロワーを増やして、自己肯定感を高めたい。

「いいね」をもらって、他者承認欲を満たしたい。

「他者評価」が「自己承認」になっているのが現代のSNS社会。

この状況を、100年前の前衛芸術家たちは、どのように見るでしょうか。

痴情のもつれから、恋人に拳銃で撃たれたムンク。

モデルを片っ端から愛人にして、妻を死に追いやったロセッティ。

いまなら「非常識」と罵られたり、「不倫」として糾弾されます。

でも、そんなケタ外れな人だからこそ成せる仕事があることも事実。

「庶民」のモノサシでは、芸術は理解できません。

「芸術」を鑑賞するための指標と視座、中谷さんから伺いました。


★こんな方にお奨めです♪


□ジブリの世界の深いところを知りたい方。

□「ムンク」の芸術を理解したい方。

□「ロセッティ」の芸術に興味のある方。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏159

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ159 価格:1,700円(税込)

※メールでデータをお送りします。

自動配信ではありませんので、配信に最長1日かかります。

【CD版】月ナカ159 価格:5,000円(税・送料込)

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○「絵巻物を、読もう。」(中谷彰宏)

展覧会の絵巻物は、広げられた状態で展示されています。

でも実際には、両手の間で手繰りながらワクワクドキドキ。

絵巻物は、紙芝居のように読まれていたのでした。

「伴大納言絵詞の見どころは、絵の具が剥げているところ。

当時の女官たちが『真犯人』を指差すうちに落剥した。」と中谷さん。

美術館の展示から、当時の情景を読み取るために必要なのは、教養。

中谷さんの「教養論」は、そんな想像力の鍛錬を目的としているのです。





○「日本人の抽象性は、絵巻物以来の伝統。」(中谷彰宏)

高畑勲は、日本アニメの大功労者。ジブリでの活動で知られています。

「『ホーホケキョ となりの山田くん』は、世界がびっくりした。

僕もびっくりした。つい、『いいの?』と言ってしまった。

でも、あれこそ鳥獣戯画のタッチ。輪郭線がつながっていない。

電信柱が1本あるだけで、サラリーマンの帰宅と読み取れる。

これが日本人の抽象性であり、絵巻物以来の伝統。」と中谷さん。

「風の谷のナウシカ」や「火垂るの墓」に感動した方、本作もぜひ!





○「リアルすぎると、不気味。」(中谷彰宏)

映画のCGは、わざとリアルにしすぎていないのだそうです。

その理由は、リアルになるすぎると、不気味で引いてしまうから。

「超リアルにすると、気持ち悪い。不気味になる。

マネキンも、超リアルにすると、服が売れなくなる。

ペッパーくんも、あえてロボット感を出している。」と中谷さん。

文章でも、「正確」だから伝わるとは限りません。

同様に、人の心に訴求するためには、「デザイン」が必要。

芸術の本質は、心に伝わるかどうかにあるのでしょうね。





○「ナチスが、ヨーロッパの才能をアメリカにもたらした。」(中谷彰宏)

中谷さんの芸術講義には、時代背景の解説が不可欠です。

それが、芸術家の理解の奥行きをもたらしてくれます。

「シュールレアリストも科学者も、ナチスが追い出した。

ヨーロッパの人材が、こぞってアメリカに移り住んだ。」

ダリ、エルンスト、シャガール、そしてマン・レイ。

のちにアメリカで花開く「アート」は、彼らが撒いた種子から。

人物像と歴史的背景で、芸術は、より味わえるのですね。





○「ムンクは生涯独身。モテるのは、たいへんなこと。」(中谷彰宏)

ムンクは、「死」と「不安」を描いた作家として知られています。

彼は、厳格な軍医の父を持ち、厳しく育てられました。

そのせいか、恋愛で屈折し、初めての恋愛相手は、年上の人妻。

「拳銃暴発事件を起こした恋人のトゥラ・ラーセンは、元々パトロン。

芸術家のパトロンは、お金持ちの未亡人に多かった。

古典好きの男と違って、女性は古典にとらわれない。

無名の才能を育てたいという母性もある。」と中谷さん。

男性にとって女性との出会いは、一生を決めるものなのですね。





○「ゴッホの流れを継いだのは、南のゴーギャンと北のムンク。」(中谷彰宏)

ムンクは、拳銃暴発事件をきっかけに、精神的にゆらぎ始めました。

「古典は理想を、印象派は見たままを描いた。ゴッホが初めて内面を描いた。

『ひまわり』は、ひまわりという植物ではなく、自分の内面を描いたもの。

南のゴーギャンと北のムンクが、ゴッホの系譜を継いだ。」と中谷さん。

ムンクの代表作として、あまりにも有名な「叫び」。

描かれている人物が抑えているのは「耳」。

苦しめる幻聴に、耳をふさぎたいムンク自身が描かれています。

ムンクの絵特有の「非常識」は、彼自身の精神の「ゆらぎ」だったのです。





○「ロセッティは、傷つきやすいイケメン。」(中谷彰宏)

「ロセッティは、傷つきやすいイケメン。」のロセッティ、

その女性関係は派手で、妻エリザベスがありながら、

モデルを務めたファニーやジェーンを愛人にしてしまいます。

そんな人間関係のなかで精神を病んだ妻エリザベスは、

薬物中毒で、32歳という若さで亡くなってしまいました。

それを嘆き、深く悲しんだロセッティ。

妻を悼んで「ベアタ・ベアトリクス」という名作を遺します。

愛妻家なのか、それともモラハラ夫なのか。

芸術家は「モラル」という尺度では測れるものではないようです。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美