月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

石を取り替えない。紙も取り替えない。

制約やしくじりから、作品は生まれる。

流れに身を任せる、中谷流「お題」人生術。

月刊・中谷彰宏158「イサム・ノグチ」「藤田 嗣治」――制約が、新しいものを生み出す。

父親にふりまわされるうちに、当代の名士たちとの邂逅を果たす。

人間関係に身を任せるうちに、大成していったイサム・ノグチ。

日本のアカデミックな美術界では評価されずに、単身パリへ。

誹謗中傷や白眼視をものともせず、道化を演じつづけた藤田嗣治。

彫刻家は、石から「像」を取り出す。石を取り替えたりしない。

書家は、書き損じからリカバーして、さらなる味わいを引き出す。

中谷さんは、編集者から与えられたタイトルで、書き始める。

「制約」は避けたり、なくそうとするのではなく、バネにする。

「制約」をエネルギーに転用する方法、中谷さんから教わりました。


★こんな方にお奨めです♪


□「イサム・ノグチ」を鑑賞したい方。

□「藤田嗣治」を鑑賞したい方。

□芸術が織りなす人間関係を概観したい方。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏158

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ158 価格:1,700円(税込)

※メールでデータをお送りします。

自動配信ではありませんので、配信に最長1日かかります。

【CD版】月ナカ158 価格:5,000円(税・送料込)

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○「野口英世は、イサム・ノグチに芸術家を勧めた。」(中谷彰宏)

父・米次郎の突発的な行動にふりまわされる、イサム青年。

アメリカでの高校時代、野口英世との出会いを果たします。

医学者としてすでに名を馳せていた野口英世に、イサムは問います。

イサム「医学に進むべきでしょうか、それとも芸術でしょうか?」

野口「当然、芸術家だよ。すごい仕事だよ、芸術家は!」

「野口英世の器の大きさを感じるよね。」と中谷さん。

こういう「出会い」は、流れに身を任せる「覚悟」のたまもの。

流れは、あらがうのではなく、身を委ねるものなのですね。

○「中身は、すごい人との出会いで生まれる。」(中谷彰宏)

レオナルド・ダ・ビンチ美術学校に進学したイサム・ノグチ。

早々に「天才」と評価されましたが、まだまだ駆け出しの彫刻家。

そこで弟子入りしたのは、巨匠・コンスタンティン・ブランクーシ。

「お前はうまい。ただ、中身がない」と師匠のブランクーシ。

ところが、ノグチは次第に「中身」を獲得していきます。

高村光雲・光太郎親子、知の巨人・バックミンスター・フラー。

こうした「すごい人」たちが、ノグチに「中身」をもたらしたのです。

才能を確実なものにするのは「すごい人」体験なのですね。

○「究極の彫刻は、大地。」(中谷彰宏)

建築家・丹下健三とのエピソードも、心躍るものがあります。

丹下の代表作として知られるのが、広島平和記念公園。

じつは、ここには、イサム・ノグチのデザインがあふれています。

丹下はイサム・ノグチを推薦しましたが、周囲の反対にあいます。

「敵国アメリカ人」の手によるものでは慰霊にならないというのです。

「究極の彫刻は、大地。」と中谷さん。平和記念公園では、

イサム・ノグチと丹下健三の想いにもふれたいですね。

○「お題を与えられると、意外と書ける。」(中谷彰宏)

適性がどこにあるのか、自分ではなかなかわからないものです。

奈良さんも、週刊朝日から「加齢臭で書いてよ」と言われて、

書き始めたのが『加齢臭読本』として刊行されたとのこと。

中谷さんも、こうおっしゃっています。

「最近、僕は、与えられたタイトルで書いている。

意外と書ける。制約があるから、いいものができる。」

選り好みするより、周りの人からのリクエストに応える。

これが、自分の才能を発見する近道なのかもしれませんね。

○「不安が、エネルギー源になる。」(中谷彰宏)

ある高名な作家が「人間は欲望と恐怖心で動く」といいました。

たしかに、恐怖を避けるために、人は行動的になれます。

東日本大震災のあと、被災地での引きこもりが激減したそうです。

日々の生活の不安が、彼らを行動的にさせたのかもしれません。

「建築家は幸せになっちゃだめ」と、建築家・安藤忠雄さん。

幸せを感じてしまうと、ハングリー精神が萎えてしまう。

それでは、いい作品を創ることはできないというのです。

「不安が、エネルギー源になる。」と中谷さん。

不安は排除するのではなく、上手にエネルギーにしたいですね。

○「現代アートは、お能。」(中谷彰宏)

現代アートは、禅の公案みたいなものかもしれません。

「説明」なく、観る人に、いきなり問いが突きつけられるからです。

「能面が人形浄瑠璃になり、人形浄瑠璃の表情は歌舞伎になった。

日本の演劇は、すべて、お能から始まっている。

お能には、説明がない。現代アートは、お能。」と中谷さん。

以前、フランス映画には「説明」が少ないというお話がありました。

「説明」は、じつはイマジネーションの敵なのかもしれませんね。

○「美術館に行くと、日本のよさがわかる。」(中谷彰宏)

海外に頻繁に行くようになると、日本のよさが見えてきます。

古くは夏目漱石や森鴎外、それに画家・藤田嗣治もその一人でした。

ささやかながら、私もそんな気持ちを持つようになりました。

「エコール・ド・パリには、世界中から天才がやってきた。

日本人の感性は新鮮だった。だから、一躍寵児になった。

藤田はよく『江戸』を描いた。イサム・ノグチも日本を愛した。

美術館に行くと、日本のよさがわかる。」と中谷さん。

芸術にふれることは、みずからを遠くから観ることなのですね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美