月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

「顔が近い」男、ゴッホ。

不器用だから到達できた。

中谷流・ゴッホ的生き方術。

月刊・中谷彰宏156「ゴッホ」「カラヴァッジョ」――不器用な人ほど、愛される。

生活者としてのゴッホは、不器用そのもの。

仕事は長続きしない。人との距離感がよくわからない。

強烈に思い込みが強く、やることなすこと空回り。

そんなゴッホと並び立つのがカラヴァッジョ。

「カラヴァッジョの絵は、ハリウッド映画。」と中谷さん。

宗教画の革命児・カラヴァッジョは、とても喧嘩っ早い人でした。

ついには殺人で指名手配され、逃亡資金を稼ぐために絵を描いたとも。

日常が破綻していた2人の巨匠、しかし、とても敬虔だったのです。

「神に尽くしたい」という心情と己の中の情動の相克。

不器用だからこそ、新しい世界を想像できる。

不器用を「価値」にするための教養、中谷さんから教わりました。


★こんな方にお奨めです♪


□美術史の転換点を知りたい方。

□不器用で悩んでいる方。

□「印象派」の全体像を掴みたい方。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】月刊・中谷彰宏156

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】月ナカ156 価格:1,700円(税込)

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○「ゴッホはポスト印象派。印象派を大きく変えた。」(中谷彰宏)

「印象派」とは、19世紀後半のパリで起こった芸術運動。

パリの市民社会の成熟を背景に、美術界に革新をもたらしました。

印象派の画家というと、まず名前が上がるのがモネ。

「印象・日の出」や「睡蓮」に見られるように、水と光を描きました。

もう一人の巨匠はルノワール。彼は女性と光にこだわりました。

「ゴッホはポスト印象派。印象派を大きく変えた。」と中谷さん。

ゴッホは印象派の発展型というより、じつは破壊者だったのです。

ゴッホの偉大さは、新しい美術を創造したところにあったのですね。

○「生まれと家業で、芸術家を理解しよう。」(中谷彰宏)

中谷さんのお父さんは、染物屋とスナックを営んでおられました。

よく月ナカ・別ナカでも、お父さんのエピソードが語られますね。

中谷さんの職人気質とサービス精神は、家業由来だったのです。

「ゴッホはオランダ生まれ。出身地の風土は大きく影響する。

ゴッホのお父さんは牧師、伯父さんは画商。

生まれと家業で、芸術家をとらえよう。」と中谷さん。

親や親族の仕事、そして風土と時代背景を予め勉強しておく。

「背景」を知ることで、作品を深く味わうことができるのですね。





○「ゴッホはモテなかった。顔が近い人。」(中谷彰宏)

「画家=モテる」というイメージを多くの人は持っています。

前回テーマのピカソやモジリアニはその代表例。

ところが、ゴッホは別。ぜんぜんモテなかったのです。

「ゴッホはクソ真面目。思い込みが強い。顔が近い人。

距離感がわからないからモテなかった。」と中谷さん。

画商になりながら、やはり「顔が近い」ことでクビに。

牧師や伝道師の道も開かれず、やむなく画家になったゴッホ。

ゴッホの不器用な人生は、私たちに勇気を与えてくれます。





○「弟の奥さんが、ゴッホの作品を世に出した。」(中谷彰宏)

35歳で「耳切リ事件」、36歳で精神科病院入院、37歳でピストル自殺。

幸せとはいえないゴッホの生涯。その晩年は、とくに悲惨なものでした。

彼の作品を世に送り出したのは、弟・テオの妻ヨハンナでした。

あまりにも兄に尽くす夫に対して、妻のヨハンナはやきもき。

テオもしだいにゴッホとの距離をとらざるを得なくなりました。

そんなとき、ゴッホが拳銃自殺。その半年後には、テオが病死。

2人の死を前にして、ヨハンナは自責の念に駆られたようです。

「奥さんが、必死にゴッホの絵を売った。

テオに届いた手紙を本として刊行した。」と中谷さん。

こうした人間模様も含めての「芸術」を鑑賞したいですね。

○「古典絵画は理想を描いた。ゴッホが初めて内面を描いた。」(中谷彰宏)

「ゴッホを継いだのがムンク。ムンクの『叫び』。あれは、

『みんな、私の悪口を言っているー!』と耳を塞いでいる姿。」

ゴッホの絵には、自身の精神状態が如実に描き出されています。

「ゴッホが、初めて絵に内面を描いた。」と中谷さん。

労働者や生活者を愛する聖職者としての慈愛の視点、

アルルに移り住み、理想郷建設に向けた情熱。

精神的に破綻を来した晩年の鬱屈。

作品の向こうにあるゴッホの心情を汲み取りましょう。





○「カラヴァッジョの絵は、ハリウッド映画。」(中谷彰宏)

「それまでのキリスト教絵画は、難しかった。

その点、カラヴァッジョの絵はハリウッド映画。

彼がルネッサンス絵画から、バロック絵画への扉を開いた。」

すっかり「お伊勢参り」化していた十字軍。

イスラムの科学主義に太刀打ちできないキリスト教文化。

腐敗するプロテスタントに対するプロテスタントの台頭。

グーテンベルクによる活版印刷の発明。

こうした時代背景を受けて登場したのが、カラヴァッジョ。

歴史を知ることで、絵の鑑賞はより深まっていきます。

○「エクスタシーとは、悟り。」(中谷彰宏)

「カラヴァッジョは映像の力を取り入れた。

暗闇の中から、マリア様が飛び出してきた。

人々は、カラヴァッジョの絵で恍惚を得た。

恍惚――エクスタシーとは、悟り。」と中谷さん。

説明で、宗教的「悟り」に到達しようという従来の方法を、

映像の力で、エクスタシー=悟りに到達させようとしたのです。

カラヴァッジョの革新性は「映像」にあったのですね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美