ディズニーランドのアトラクションや人気ラーメン屋さんの長い「行列」。
「行列」と、美術館の長いアプローチやお寺の石段といった「動線」。
この2つの共通点は、何でしょうか。
「ディズニーランドにしても、根津美術館にしても、動線が長い。
お茶室にしても、外露地から内露地への動線が確保されている。
動線で心を整える。長い動線で、心をリセットできる。」
「行列」と「動線」、それはともに「心を整える時間」だったのです。
行列は気持ちを盛り上がるため、動線は気持ちを鎮めるため。
「異界」に入るためには、心の準備が必要不可欠。
「異界」に入る作法、中谷さんから教わりました。
★こんな方にお奨めです♪
□待ち時間があるとイライラする方。
□ワクワクすることがあまりない方。
□子育てで悩みがある方。
今週末これをやろう、次回はこうしてみよう、明日あれをしよう。
未来に心躍らせる。それがワクワクです。
「応用をきかせる、試行錯誤する、工夫してどうなるか。
そういうアイディアを考えたり試したりする時間が面白い。」
外にワクワクを求めるのもいいのですが、それより内側からのワクワク。
日頃の「妄想」の鍛錬が、ワクワクする力になるのですね。
頼んだ物が翌日配達される。観たい映画をすぐに観られる。
昔なら、お金を貯めて購入した物を、すぐに買うことができる。
「即」というのが、時代のキーワードといえるかもしれません。
「スピーディーは、想像力の欠如につながる。
ひと呼吸おくことで、想像がふくらむ。」と中谷さん。
スピード感ある行動は大事ですが、「即」を求めるのは考えもの。
「早く早く」では、イマジネーションが豊かにならないのですね。
手相占いは、どうして当たるのか、前から不思議でした。
「手をもつと、その人の性格がわかる。
手が柔らかい人は柔軟。硬い人は保守的。
手は、外に出た脳。脳の延長線上に手相がある。」と中谷さん。
「手の内を見せる」という言葉がありますが、ひょっとしら、
「手の内」とは「頭の中」ということなのかもしれません。
知性が脳に刻まれるように、手相に人生が刻まれるのですね。
以前、勉強をしていたので、建築についてはそれなりに知識があります。
でも、今回の中谷さんのお話は、当時習わなかったことばかり。
「段差の違う石段、フェイントをかけてくる曲がり角。
お寺の伽藍配置は経典。教義を表現している。」と中谷さん。
目に入る光景を通じて、参拝する人の心に働きかけているのですね。
訪れる人の「学び」を想定した建築、これには驚かされました。
お寺を訪れたら、建物の配置に目を凝らしましょう。
建築家・丹下健三さんは、二浪して東京帝国大学建築科に入学しました。
「その2年間に、丹下健三さんは、死ぬほど映画を観た。
名曲喫茶やバーに入り浸り、友だちと語らい、哲学や文学に目覚めた。」
丹下健三さんといえば、つまずきのないエリートかと思っていました。
でも、ぜんぜんそんなことはないのです。むしろ、挫折の連続でした。
失敗一つ一つを学びにして、自分を成長させていく。
超一流の人生流儀を、丹下健三さんは教えてくれました。
ネット予約が当たり前の時代、行列に並ぶことは少なくなりました。
行列ができるのは、今やディズニーランドか人気ラーメン店くらい。
「待ち時間への免疫力が、すっかり下がってしまった。
『ラーメンごときになぜ並ぶ』と言う人もいるけれど、
並んで待っている時間こそ味わい深い時間。」と中谷さん。
待ち時間は「待たされている」というネガティブな時間ではなく、
気持ちを盛り上げるポジティブな時間だったのですね。
「ディズニーランドにしても、根津美術館にしても、動線が長い。
お茶室にしても、外露地から内露地への動線が確保されている。
動線で心を整える。動線で、心をリセットしよう。」と中谷さん。
その意味で、ラーメン屋さんの行列も「動線」なのです。
「別世界」に入る前には、動線でマインドセット。
行列を楽しめる人は、「物語」を味わえる人。
自分の「物語」に、どんな動線を引くかが問われているのです。
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