ビジネスの世界で重視される、プレゼンテーションやディベートの力。
でも日常生活においては、これらはむしろ弊害が大きいかもしれません。
西洋発のビジネスのは、合理性と整合性が問われます。
でも、私たち日本人の精神性が嗜好するのは、むしろ非合理性や矛盾。
和魂洋才――こうした相反する世界を生きるのが、私たち日本人なのです。
では、日本人として幸せな人生を送るためには、どうすればいいでしょうか。
そのヒントは「仏教」にありました。
仏教でひもとく、これからの生き方、中谷さんから伺いました。
★こんな方にお奨めです♪
□仏教の歴史を概観したい方。
□寛容さを身につけたい方。
□矛盾や非合理性が許せない方。
靴、お寿司屋さん、パン――どんなものにも「質」があります。
「人は『1段上』までなら、その値打ちが理解できる。
でも2段上になると、もうわからない。イギリスの靴はかたい、
比内地鶏もかたいと、クレームになってしまう。」と中谷さん。
ふだん菓子パンを食べている人は、フランスパンは「かたい」。
ドイツパンは「酸っぱい」としか理解できないのです。
より上質なものを味わうには、段階を踏む必要があるのですね。
これから仏教を学ぼうという方には、道は2つあると中谷さん。
1つは「物語」から入る方法。
もう1つは「仏像」から入る方法。
前者は、仏教講話や説話などの「おはなし」で仏教を理解。
後者は、仏像をめぐる体系から仏教を理解していきます。
「仏像は、フィギュア。プラモ的。
如来、菩薩、明王、天部。仏像は4パターン。」と中谷さん。
あなたは「物語」から入りますか。それとも「仏像」?
そもそも宗教行事だったお伊勢参り。
江戸時代には、すっかり庶民の娯楽になっていた。
科学技術をあまり重視していなかったキリスト教国家。
しかし十字軍遠征の結果、科学技術への見直しが生まれ、
これが、ルネッサンスにつながっていった。
砂漠を行く隊商。彼らの一番のお土産は「物語」。
そこから、『千夜一夜物語』が生まれた。
中谷さんの歴史叙述は、一度聴いたら忘れられませんね。
仏教は、もともと偶像崇拝禁止だったんですね。知りませんでした。
「アレキサンダー大王はギリシア人。なんでもフィギュアにしたがる民族。
大王の東方遠征によって、仏教にフィギュアが生まれた。それが仏像。」
それが中国、朝鮮半島、そして日本に伝わったというのです。
ちなみに、日本でも京都と滋賀では、仏像のタイプが異なるそうです。
前者は、日本風に発達した仏像。後者は、伝来時の奈良風とのこと。
仏像をめぐる「物語」、勉強してから、お寺を訪ねたいですね。
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