副業が解禁される会社が増えています。
でもこれを、家計の足しにしようというのではもったいない。
「楽して儲かる仕事には、落とし穴が多い。
儲からないことを、副業にしよう。
儲からない仕事だから、勉強になる。」と中谷さん。
奈良さんも40代、吉野家でバイトをしていました。
編集者の奈良さんが、なぜ「別世界」でバイトしたのでしょうか。
奈良さんは「別世界」体験の価値を知っていたからなのですね。
たとえば、幼児向けのパズル。
10ピースほどのパズルに没頭する大人はいません。
これが2000ピースにもなるジグソーパズルだったら、
時のたつのも忘れてのめり込んでしまいます。
「めんどうくさいから、没頭できる。
めんどうくさい女の子のほうが夢中になれる。」と中谷さん。
「めんどうくさい!」は、夢中になれる対象のサインなのですね。
中谷さんの映画談義は、いくら聴いていても飽きません。
映画には、こんな観方、楽しみ方があったのか――と毎回感動します。
1回目はストーリーを観て、2回目はつくり手の表現を観る。
3回目は「見えないもの」を観る。これが中谷さんの映画鑑賞流儀。
「僕がしゃべったシーンは、実際にはないかもしれない。
ストーリーから離れて、映画を観よう。」と中谷さん。
「見えないもの」が観えた。
これが映画を観たということなのかもしれませんね。
言行不一致は、一般的には、よくないこととされています。
政治家や経営者が、よく言行不一致で叩かれたりしています。
でも、中谷さんは「言行不一致が魅力的。」とおっしゃいます。
その理由は、言行不一致は「クリエイティブ」だからです。
相反する2つの概念が、より高次の価値を生み出すことはよくあります。
言っていることと行動のせめぎあいから生まれる新たな価値。
言行不一致を恐れずに、どんどん行動していきましょう。
SMクラブの愛好者には、リーダー層の人が多いらしいです。
ふだん指示して、人を使っている立場の人だからこそ、
時には虐げられることで、精神のバランスをとっているのかもしれません。
大手出版社の中堅編集者だった奈良さんが吉野家でアルバイトをしたのも、
同じように、精神的なバランスを取る行動だったのかもしれません。
「ウルトラマンのモロボシ・ダンもスーパーマンのクラーク・ケントも、
ヒーローと一般人を生きることで、ストレスを発散していた。」と中谷さん。
人知れぬ別のベルソナを持って、ストレスを発散しましょう。
以前、藤原和博さん(だったかな?)がおっしゃっていました。
専門分野を2つ持っていれば、100万人に1人の人材になれると。
たとえば、ポルトガル語を話すことができる力士。
こういう人は、おそらく地球上に何人もいないことでしょう。
希少価値には、おのずと富がついてまわります。
「掛け算になる仕事をしよう。」と中谷さん。
今やっている仕事とは、まったく違うスキルを身につけられる仕事。
まったく違う世界に人間関係ができる仕事をもう一つ持ってみる。
「掛け算」が、私たちの希少価値を高めてくれるのです。
一人ひとりの行動がデータとして蓄積される時代、
一人ひとりのマナーが問われる時代になってきました。
お金を出せば誰でも「お客さん」という時代も過去のものになりそうです。
「タクシーの車内は、茶室。一期一会の世界。
客としてもてなされるためには、笑顔でタクシーを待とう。」と中谷さん。
これからの接客は、主客対応のリスペクト関係が土台。
サービスしてくれる人たちには、笑顔で接しましょう。
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