○「時間密度を、高めよう。」(中谷彰宏)
「年とともに、時間の経過が速く感じられる。これはなぜでしょうか?」
――という質問に中谷さんは、こんなふうにご回答。
「時間の経過のスピードは関係ない。大事なのは、時間密度。
勉強量や体験量といった時間密度が高ければ、
時間は速く感じられるけれど、思い出すと昔に感じられる。」
なるほど、時間密度。時間の経過よりも密度にこだわろうというわけです。
そう考えると、時間が速く過ぎゆくことを嘆くよりも、
目の前の時間の使い方の「薄さ」に注意を払うべきかもしれません。
勉強して、体験して、時間濃度を高めていきましょう。
○「同時並行で、詰め込もう。」(中谷彰宏)
中谷さんは講演を聴くとき、並行して三つのことを行います。
1つめは、当然、いま行われている講演に耳を傾ける。
2つめは、手がけようとしている企画のメモをつくる。
3つめは、(目立たないようにコピーした)資料を読む。
奈良さんもパスタを茹でながら、並行してゆで卵を茹でて、
さらに、コーヒーを淹れ、サラダもつくってしまうとのこと。
時間の流れは一定ですから、スピードアップするには、
1つの時間にどれだけ詰め込めるかが勝負。
その詰め込み度合いが、「時間濃度」というものなのですね。
○「焦らずに、急ごう。」(中谷彰宏)
焦っている人と急いでいる人――この2つは似て非なるもの。
焦っている人は、あたふたしています。
急いでいる人は、あたふたしていません。
何かに急き立てられている人が焦っている人で、
自分の目標に向けてスピーディに行動している人が急ぐ人。
このように分類してもいいでしょう。
ここで大事なことは、時間への支配力。
自分の時間を、自分で使いこなせれば、時間濃度は高まります。
「前倒し仕事」は、自分の時間を支配するための切り札なのですね。
○「勉強すればするほど、孤独になる。」(中谷彰宏)
「勉強すればするほど、孤独になる。つきあう人もいなくなる。」
この中谷さんの言葉ほど、孤独を表現したものはありません。
そう、孤独とは勉強してより高い世界に入った時に訪れるのです。
中谷さんにしても、奈良さんのような方なら話もはずみますが、
たとえば、私が相手では物足りなく感じるはず……。
でも、その分、私のほうが話し相手は多いかもしれません。
知性のピラミッド。上に行けば行くほど、その数は少なくなる。
これが「孤独」というものの正体なのです。
孤独とは、勉強する者だけに与えられた試練なのですね。
○「『浮く』ことができれば、上の世界に上がれる。」(中谷彰宏)
「トップアスリートに求められるのは、技術も当然だけど、
それ以上に、嫉妬を乗りこえるメンタル力。」と中谷さん。
才能を与えられた人は、嫉妬されたり嫌われたりするものです。
それを乗りこえることも含めての実力なのです。
嫉妬され、嫌われる人は、場から「浮いている」ものです。
人によっては、そのとき、浮かないようにと身を沈めます。
でも、これはあまりにももったいない。
「浮いているのはチャンス。輪の中では終わっている。」と中谷さん。
「浮いているなあ」と感じたら、周りを見ないで上を見る。
それが、あなたを一段上の世界に浮かび上がらせてくれるのですね。
○「嫌われるおかげで、自由が得られる。」(中谷彰宏)
「嫌われる」「憎まれる」「裏切られる」
これらを体験することで、人は成長してゆくと、中谷さん。
才能をフルに発揮できるのは幸福なことですが、
それには、苦痛もともなうものなのです。
この苦痛を避けようとするか、才能を開花させようとするか、
それが、私たちに突きつけられた二者択一。
すべて自分で決めなければなりません。
「嫌われるおかげで、自由が得られる。
嫌われることは、税金みたいなもの。」と中谷さん。
嫌われる恐怖を乗りこえた勇気ある人だけが、
自由を謳歌し、才能を発揮する機会が与えられるのですね。
○「出会いで、元を取ろう。」(中谷彰宏)
しゃぶしゃぶ食べ放題で元を取るには、13.5人前(!)。
ドリンクバーで元を取るには、38杯(!)なのだそうです。
「食材で元を取ろうとしている間に、チャンスを逃す。
出会いで元を取ろう。体験で元を取ろう。」と中谷さん。
バーでは、バーテンダーさんと仲良くなる。
パーティでは、新しい出会いを楽しむ。
そう、人との出会いがいちばんの価値なのです。
食べ物に夢中になっている間に、こうした縁は遠のくばかり。
お金と時間を、「出会い」や「体験」に換えていく。
そういう人が結局、お金持ちになっているのですね。