○「人と同じことをやらないのが、ダンディズム。」(中谷彰宏)
中谷さんの美意識、それは「ダンディズム」。
では、ダンディズムとはどんなことを意味するのでしょうか。
おしゃれ?――たしかに、それもダンディズムの一部です。
優雅な立ち振る舞い?――はい、それもダンディズムの一つです。
いずれも該当していますが、そのものズバリではありません。
ダンディズムとは「人と同じことをやらない」こと。
つまり、流行や周囲のムードに流されない自分の軸を持っていること。
「自分の軸」を獲得していく姿勢、それがダンディズムなのです。
○「映画は、ダンディズムの教科書。」(中谷彰宏)
では、ダンディズムはどうすれば獲得できるのでしょうか?
いちばん効果的なのが、映画を観ることです。
映画とは、自分だけの価値軸を獲得していく物語です。
実生活で、ピンチを迎えたときに役立つのも映画です。
映画て蓄積してきたダンディズムが、ピンチに生かされます。
いざというときに、ジタバタしない、オロオロしない。
映画をたくさん観ることで、「不動心」がやしなわれるのです。
○「好きなことは、快適なことではない。」(中谷彰宏)
「好きなことは何?」と質問されたら、どう答えますか?
「南の島のリゾートでの休暇」「三つ星レストランでの食事」
――こんな回答が多いかと思います。
でも、それらはしょせん「快適なこと」。
真の意味での「好きなこと」ではないのです。
好きなこととは、自分の価値軸にのっとったダンディズム。
「快適ではないことに、『好きなこと』がある。
ネクタイ、詰め襟――不快でもあえて選ぶやせガマン、
それがダンディズムの本質。」と中谷さん。
「快適なこと」に流されない価値軸を築きましょう。
○「暑い、寒いと言わないようにしよう。」(中谷彰宏)
ちょっと暑くなれば、「暑い、暑い……」。
ちょっと寒くなれば、「寒い、寒い……」。
ダンディズムを追いもとめる人たちは、こうした発言を慎みます。
「暑いは、暖かい。寒いは、涼しい」とは、とある禅僧の言葉。
暑いと言うから、暑さが身にしみ、
寒いと言うから、寒さが身にしみるというのです。
「貧しい家の子は長ズボン。お金持ちの子は半ズボン。」と中谷さん。
暑さ寒さを超越するのが、ダンディズムなのですね。
○「ストーリーから離れて、映画を観よう。」(中谷彰宏)
「頭」で映画を観れば、ストーリーしか味わえません。
「心」で映画を観れば、登場人物に感情移入できます。
「魂」で映画を観れば、制作者に共鳴できるようになります。
――同じ映画でも、人によって観方はだいぶ違うものです。
「3回観なければ、見つからないこともある。
ストーリーから離れながら、何度も観返す。」と中谷さん。
「作り手」の魂に近づいていく。
これが芸術作品の味わい方なんですね。
○「着る物ではなく、着方にダンディズムが表れる。」(中谷彰宏)
「道具ではなく、先生にお金を使おう。」
これは、月ナカ105のメッセージでした。
これは、服装についても同じことがいえます。
ダンディズムとは、「着る物」ではなく「着方」。
「スーツは鎧。スーツは軍服。着方によって、
防御力も、気合いも変わってくる。」と中谷さん。
何を着るかではなく、いかに着るか――
これが、中谷さんのダンディズムなのですね。
○「見巧者に、見所を学ぼう。」(中谷彰宏)
見巧者――見所を熟知している人のことをいいます。
同じものを観ていても、違う世界が見えている。
それが見巧者の世界です。
堺の町を案内する観光ボランティアさん。
観ボラさんたちは、史跡の見巧者です。
私たちが歴史的建造物を見るのとは違う眼を持っています。
いうまでもなく、中谷さんは、映画の見巧者。
同じ映画を前にしても、違う映像を「視て」います。
見巧者は目の付け所が違います。
見巧者の眼で観る――これが達人への第一歩なのです。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美