1本目の映画はジェイソン・ステイサム主演の「アドレナリン」。
アドレナリンを出し続けなければ、死んでしまう男の物語です。
「興奮と恐怖で、アドレナリンは出る。
無茶な設定、無茶なキャラ。」と中谷さん。
救急患者からAEDを奪う。ショッピングモールを爆走する。
レッドブル飲んで、コカイン吸って、大勢の敵と格闘。
挙句の果てに、衆人環視のなかでエッチ。
まさに、アドレナリンほとばしる映画です。
アドレナリンを求めて、走り続ける主人公。
「奪った白バイに立ち乗りで、恋人に会いに行く。
遅れてごめんと、くちゃくちゃの花束をプレゼント。
敵と戦うところは見せない。暴力的なのに優しい。
お尻丸出しだから、ヒーロー。」と中谷さん。
007のような、まったくすきのないヒーローもいいですが、
ルパンのような、ちょっと抜けたヒーローも魅力的ですね。
「画面が暗くなった。これは死んだという展開。
だけど、一瞬パチっと明るくなる。これは、まばたき。
ここは、よく観ておかなければならない。
死んだと思った人は、ここに気づかない。」と中谷さん。
映画「アドレナリン」には、やはり続編ができました。
「アドレナリン ハイ・ボルテージ」というタイトルの通り、
今度は、1時間に1回充電しなければならないという設定。
「バカバカしいから、元気が出る。」映画とのことです。
2本目は「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」。
実際にあった巨額詐欺事件が下敷きになっています。
監督はスティーブン・スピルバーグ。
稀代の詐欺師をレオナルド・ディカプリオ、
彼を追うFBI捜査官をトム・ハンクスが演じます。
「あきらめるな、もがけ。これがメッセージ。」と中谷さん。
「あきらめない」2人の生き様に魅了される作品です。
「駿台時代、僕はスーツで授業を受けていた。
だから、講師専用のエレベーターにも乗ることができた。
スピルバーグ監督も、学生なのにスーツを着ていた。
それで、ユニバーサルスタジオに出入りするうちに、
みんな顔なじみになっていた。」と中谷さん。
パイロットの制服を着て、信用を得ていくディカプリオ。
服装は、信用を獲得する上で、最高の武器なのですね。
ついに捕まえたと踏み込んだトム・ハンクス。
「身分証を見せろ」に対して、ディカプリオは、
「まず、君が見せろ」と平然と切り返します。
転校先の学校でも、生徒でありながら、先生になりきって、
1週間にわたってフランス語の授業を行ったディカプリオ。
「堂々としている。逃げない。」と中谷さん。
「逃げる」ためには「逃げない」ことなのですね。
娘の年齢を騙っていたトム・ハンクス。
なじられたディカプリオに対して、こう言いました。
「時に、嘘の中に生きるほうが、楽だからね。
このセリフに、スピルバーグは自分を重ねた。
映画という作り事、偽小切手という作り事。
ディカプリオが、スピルバーグ。」と中谷さん。
この解釈は、中谷さんの映画解説ならではですね。
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