月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

別冊・中谷彰宏199「あがきながら、楽しもう。」――『アドレナリン』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

生き延びるためには、アドレナリンを出し続けるしかない。
ドラッグ、暴走、セックス、格闘。あらゆる手段で、
アドレナリンを出しながら、逃げ続けるチェリオス。
天才的な偽造テクニックと堂々とした立ちふるまい。
逃げることなく、その場を制圧してしまうフランク。
「追い詰められたとき、真価が現れる。」と中谷さん。
今回は「アドレナリン」と「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」。
ピンチを機転で切り抜ける方法、中谷さんから教わりました。

  


価格やご注文方法などをご案内しています。

○「興奮と恐怖で、アドレナリンは出る。」(中谷彰宏)

1本目の映画はジェイソン・ステイサム主演の「アドレナリン」。
アドレナリンを出し続けなければ、死んでしまう男の物語です。
「興奮と恐怖で、アドレナリンは出る。
無茶な設定、無茶なキャラ。」と中谷さん。
救急患者からAEDを奪う。ショッピングモールを爆走する。
レッドブル飲んで、コカイン吸って、大勢の敵と格闘。
挙句の果てに、衆人環視のなかでエッチ。
まさに、アドレナリンほとばしる映画です。

○「お尻丸出しだから、ヒーロー。」(中谷彰宏)

アドレナリンを求めて、走り続ける主人公。
「奪った白バイに立ち乗りで、恋人に会いに行く。
遅れてごめんと、くちゃくちゃの花束をプレゼント。
敵と戦うところは見せない。暴力的なのに優しい。
お尻丸出しだから、ヒーロー。」と中谷さん。
007のような、まったくすきのないヒーローもいいですが、
ルパンのような、ちょっと抜けたヒーローも魅力的ですね。

○「バカバカしいから、元気が出る。」(中谷彰宏)

「画面が暗くなった。これは死んだという展開。
だけど、一瞬パチっと明るくなる。これは、まばたき。
ここは、よく観ておかなければならない。
死んだと思った人は、ここに気づかない。」と中谷さん。
映画「アドレナリン」には、やはり続編ができました。
「アドレナリン ハイ・ボルテージ」というタイトルの通り、
今度は、1時間に1回充電しなければならないという設定。
「バカバカしいから、元気が出る。」映画とのことです。

○「断られたところからが、勝負。」(中谷彰宏)

2本目は「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」。
実際にあった巨額詐欺事件が下敷きになっています。
監督はスティーブン・スピルバーグ。
稀代の詐欺師をレオナルド・ディカプリオ、
彼を追うFBI捜査官をトム・ハンクスが演じます。
「あきらめるな、もがけ。これがメッセージ。」と中谷さん。
「あきらめない」2人の生き様に魅了される作品です。

○「スーツを着て、受け入れられよう。」(中谷彰宏)

「駿台時代、僕はスーツで授業を受けていた。
だから、講師専用のエレベーターにも乗ることができた。
スピルバーグ監督も、学生なのにスーツを着ていた。
それで、ユニバーサルスタジオに出入りするうちに、
みんな顔なじみになっていた。」と中谷さん。
パイロットの制服を着て、信用を得ていくディカプリオ。
服装は、信用を獲得する上で、最高の武器なのですね。

○「年齢は関係ない。堂々と振る舞おう。」(中谷彰宏)

ついに捕まえたと踏み込んだトム・ハンクス。
「身分証を見せろ」に対して、ディカプリオは、
「まず、君が見せろ」と平然と切り返します。
転校先の学校でも、生徒でありながら、先生になりきって、
1週間にわたってフランス語の授業を行ったディカプリオ。
「堂々としている。逃げない。」と中谷さん。
「逃げる」ためには「逃げない」ことなのですね。

○「ディカプリオが、スピルバーグ。」(中谷彰宏)

娘の年齢を騙っていたトム・ハンクス。
なじられたディカプリオに対して、こう言いました。
「時に、嘘の中に生きるほうが、楽だからね。
このセリフに、スピルバーグは自分を重ねた。
映画という作り事、偽小切手という作り事。
ディカプリオが、スピルバーグ。」と中谷さん。
この解釈は、中谷さんの映画解説ならではですね。

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