月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

映画を観れば、見えてくる「自分」。

中谷流・ヘビーローテション映画術。

別冊・中谷彰宏198「何回も見ても飽きない映画に、出会おう。」――『サタデー・ナイト・フィーバー』『小さな恋のメロディ』

「サタデー・ナイト・フィーバー」と「小さな恋のメロディ」。
まったく別物に見える2本の映画ですが、じつは3つの共通点が。
1つめは、中谷さんが何度も観た映画であることです。
前者は予備校時代に、後者は高校時代にハマったとのこと。
2つめの共通点は、音楽。ともにビージーズが楽曲提供。
あまりにも異なるテイストに、正直驚かされました。
3つめの共通点は「階級」をテーマにしている点。
初回では気づかなかったことが、何度も観るうちに見えてくる。
何度も観るべき映画との出会い方、中谷さんから伺いました。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】別冊・中谷彰宏198

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○「1日3本、4年で4000本。」(中谷彰宏)

中谷さんの「伝説」といえば、学生時代の映画体験。
「1日3本、4年で4000本。でも、観た数ではない。
一番数多く観た映画は、何か。それが大事。
そのためには、たくさんの映画を観る。」と中谷さん。
先日、私も20年以上ぶりに「レインマン」を観ました。
前回観たときとは、まったく違う印象を持ちました。
何度も観る。中谷さんの言葉が腑に落ちました。

○「未来に夢があるか。それが真のテーマ。」(中谷彰宏)

1本目の映画は「サタデー・ナイト・フィーバー」。
一度観た印象でいえば、ジョン・トラボルタのモテ映画。
そんな印象でしたが、中谷さんはこうおっしゃいます。
「未来には、夢がない。展望がない。こういう予告編。
土曜日が楽しめればいい。俺にとっては、今夜こそ未来。
でも、それでいいのか?――という哲学的なメッセージ。」
初見では、リア充としか思えなかったトラボルタですが、
今回は、彼の屈折が胸に迫ってきました。

○「ルックスよりも、身体感覚。」(中谷彰宏)

「サタデー・ナイト・フィーバー」は、ダンス映画。
全編に渡って、ダンスシーンが繰り広げられます。
「着替えるのも、歩くのも、ダンス。
ストリートで声をかけて、ふられるのもダンス。
ダンスをすると、手が触れた瞬間、その人が、
どんなセックスをするか、わかる。
ルックスよりも、身体感覚志向になる。」と中谷さん。
ダンスは、身体の感性を取り戻してくれるのですね。

○「ダニエルは、チェロ。メロディは、リコーダー。」(中谷彰宏)

2本目の映画は「小さな恋のメロディ」です。
「ダニエルは、チェロ。メロディは、リコーダー。
こういうところでも、階級社会を表現している。」と中谷さん。
こんな差別は、文化圏が違うとわかりにくいものです。
「サタデー・ナイト・フィーバー」でも、どこに住むかで、
ステイタスの違いがあることを描写していますが、
事情を知らなければ、気づくことはありません。
映画のテーマを「観る」にも、教養が不可欠ですね。

○「SWALK。キスで封印する。」(中谷彰宏)

「小さな恋のメロディ」といえば、世界的な名作。
そんなイメージでしたが、じつはそうではなかったと中谷さん。
「ヒットしたのは、日本とアルゼンチン、そしてチリだけ。
イギリス映画だけど、イギリスでも、アメリカでも不発。
この映画は「The End」ではなく、「X X X」で終わる。
「X」はキス。ちなみにオリジナルタイトルは、SWAK。
Sealed With A Loving Kiss。キスで封印する。」と中谷さん。
教養で映画を観る、映画で教養を深める、ですね。

○「テーマは、大人への抵抗。」(中谷彰宏)

「イギリスでは、大人ががっちり世界を作っている。
子どもは未完成の大人。躾けて初めて大人になる。
「マイ・フェア・レディ」は、少女を大人にする物語。
「メロディ・フェア」は、パンク的カウンター。
テーマは、大人への抵抗。」と中谷さん。
この映画の制作現場は、ほぼ20代だったそうです。
イギリスで受け入れられなかったのは、
文化に対する挑戦だったのかもしれませんね。

○「映画を通じて、自分を観よう。」(中谷彰宏)

「小さな恋のメロディ」にハマった高校時代。
「サタデー・ナイト・フィーバー」にハマった浪人時代。
中谷さんの人生を、これらの映画は決定づけました。
「感情移入して、驚いて、想像する。
筋はいらない。映画で触発された自分の話をする。
映画を通じて、自分を観よう。」と中谷さん。
自分を観るための映画がある人生は、幸せですね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美