月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

別冊・中谷彰宏196「好みのタイプは、映画で決まる。」――『ロミオとジュリエット』『パッセンジャー』

感受性とは、芸術作品から受ける影響の大きさ。
その点、中谷さんは絶大な感受性の持ち主といえます。
高校時代に観た「ロミオとジュリエット」。
「これだな。目標が決まった。僕は、この世界で生きよう。
この映画が、ぼくの人生を決めた。」と中谷さん。
「ロマンチック」と「極限状態からの脱出」。
これらが、中谷さんの人生の2大方向性。
人生を決める映画との出会い方、中谷さんから伺いました。

  


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○「この映画が、僕の人生をおかしくした。」(中谷彰宏)

デートで「ロミオとジュリエット」を観よう。
でも、ふられてしまい、1人で観た高校時代の中谷さん。
「これだな。目標が決まった。僕は、この世界で生きよう。
この映画が、ぼくの人生をおかしくした。」と中谷さん。
このときのシェイクスピア体験が、
早稲田演劇科への道を歩ませたのかもしれないと回想。
1本の映画が、人生を変えてしまうものなのですね。

○「ロマンチックに生きるのは、茨の道。」(中谷彰宏)

ロミオとジュリエットのキスシーン。
途中で目を開けたジュリエットに、中谷青年はびっくり。
ジュリエット「いま、わたくしの唇に罪がうつったのですね」
「あなたに罪をおうつししてしまいましたので、
その罪をお返しください」と切り返すロミオ。
「これや! 以来、ラブレターの文体がこれになった。
キモいよね。当然、相手はドン引きする。」と中谷さん。
ロマンチックに生きるのは、茨の道なのですね。

○「ロミオとジュリエットは、バカップル。」(中谷彰宏)

有名なバルコニーのシーンでのやりとり。
ジュリエット「ごめんなさい。言うことを忘れてしまいました。
ロミオ「では、思い出すまで、お待ちします」
ジュリエット「え、いてくださるんですか。じゃ、思い出しません」
ロミオ「では、いつまでもここにいます。ここを我が家と致します」
「バカップルの会話。想像を超えたところに持っていく。」
シェイクスピアは台詞回しがはんぱじゃない。」と中谷さん。
この跳躍力が、シェイクスピアの魅力なのですね。

○「その朝、ジュリエットはケラケラ笑っていた。」(中谷彰宏)

中谷さんの恋愛観を築いたのも「ロミオとジュリエット」。
「一番びっくりしたのは、2人で迎えた朝のシーン。
ジュリエットがケラケラ笑っている。微笑みじゃない爆笑。
これって、どういうこと? 童貞には衝撃だった。
理想のベッドシーンは、笑わせることだと学んだ。」と中谷さん。
別ナカに「ベッドで笑い転げよう」という作品がありますが、
これは「ロミオとジュリエット」に着想を得たのかも。

○「『このとき、どうする?』が映画の楽しさ。」(中谷彰宏)

2本目の映画は「パッセンジャー」。
中谷さんの2016年のベスト3作品だそうです。
「『このとき、どうする?』という会話が映画の楽しさ。
ああでもない、こうでもない。これが楽しい。
これは、アートと同じ。正解はない。」と中谷さん。
このとき、自分だったら、どうするか?
こんな問いかけの集積が、中谷さんを形作ったのですね。

○「追い詰められた体験は、日常生活に応用できる。」(中谷彰宏)

別の惑星への移り住むために、5000人を乗せた宇宙船。
人工冬眠しているところ、1人だけ起き出してしまった主人公。
到着まで、あと89年。それは、死ぬまで1人ということ…
「追い詰められた状況に感情移入した経験は、
日常を生きる上で生きてくる。」と中谷さん。
ゾンビ襲来、崩落トンネルに生き埋め、独居房。
極限状態を仮想体験するは、最高のメンタル修行なのですね。

○「ロボット相手では、言い合いができない。」(中谷彰宏)

唯一の話し相手は、バーテンダーロボットだけ。
「おっしゃるとおりでございます、お客様」
如才ない会話はできても、血が通った会話は無理。
「ロボット相手では、言い合いができない。」と中谷さん。
酒浸りになりながら、しだいに自堕落になる主人公。
ついには、禁断の一手を実行に移すことになります。
人間とAIの未来について、考えさせられる映画でした。

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