月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

別冊・中谷彰宏193「ヒーローを演じる人が、ヒーローになる。」――『ステイ・フレンズ』『ギャラクシー・クエスト』

「演技」とは、いつわりの自分を演じることではありません。
それは、憧れの人物や理想の自分を思い描いて、
それに近づこうというトレーニングにほかなりません。
素の自分なんて、しょせんは自意識のかたまり。
自意識を超越、アバター化して吹っ切りましょう。
「ヒーローを演じる人だけが、ヒーローになる。
ヒーローは、演技で成り立っている。
演技は、恥ずかしいことではない。」と中谷さん。
新しいペルソナを獲得する方法、中谷さんから伺いました。

  


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○「おとぎ話を、アップデートしよう。」(中谷彰宏)

1本目の映画は「ステイ・フレンズ」。
ニューヨークで、ヘッドハンティングをしているジェイミー。
LAで活躍するアートデイレクター・ディランの転職を手掛けます。
ともに「重い恋愛」を敬遠する2人。
しかし、しだいに距離は縮まって――
そこにイケイケのジェイミーのお母さん登場。
「おとぎ話もアップデートしなければだめよ」と説諭。
悩める2人にとって、この言葉は毒になるのか薬になるのか。

○「新人はベテランを演じる。新人ぽい子はベテラン。」(中谷彰宏)

ジェイミーはとても積極的。ともすれば「あばずれ」認定。
でも、それは彼女が演じた姿。じっさいは真面目ちゃんなのです。
「一見イケイケのほうが真面目なことが多い。
イケイケを演じている。決めつけは、間違える。
新人はベテランを演じる。新人ぽい子はベテラン。」と中谷さん。
人は誰しも多少なりとも「演技」しているものです。
「演技」ごと受け止められるかに、度量が表れるのですね。

○「人生は、歴史と経験とラブコメで学んだ。」(中谷彰宏)

「ロマンティック・コメディはリアルさが命。
リアルじゃないと、まったく感情移入できない。
「人生は短い。無駄にする時間はない」
これは、アルツハイマー気味のお父さんの言葉。
男の父、女の母の言葉が重く響く。」と中谷さん。
「人生は、歴史と経験とラブコメで学んだ」とディラン。
ラブコメはたんなる色恋話ではなく、人生哲学なのです。

○「ヒーローを演じれば、ヒーローになれる。」(中谷彰宏)

「ステイ・フレンズ」の教え、それは、
・恋愛を前にして、人は誰しも演技している。
・「おとぎ話」を、アップデートしよう。
・人生は短い。時間を、無駄にするな。
これらを体現するのが「ギャラクシー・クエスト」。
スタートレックのリメイク風パロディ作品です。
二重三重の演技から、演技を考えてみましょう。

○「ヒーローだったら、どうするかを考えよう。」(中谷彰宏)

ルパン、ジェームズ・ボンド、星飛雄馬――
こんなとき、ヒーローだったら、どうするか?
追い詰められた時、中谷さんはヒーローに憑依します。
「007は、たいへんだ、困ったとは言わない。
感情を出さずに、涼しい顔をしている。
これはもちろん演技。高倉健さんは高倉健を演じている。」
素の自分だと、慌てふためき、うろたえてしまいます。
そんなときはヒーローを召喚して、余裕を取り戻しましょう。

○「演じている人は、冷静。」(中谷彰宏)

映画のヒーローたちは、しょせん役者。
彼らは、演技を通じて、ファンとつながっています。
本作では、演技者とファンが異世界人によって
同じ土俵上に上がってしまうというファンタジー。
「演じている人は、冷静。自分を客観視している。
別のカメラで、自分を映しているから冷静。」と中谷さん。
自分を外から見えている人が、ヒーローなのです。

○「観た映画は、実体験になっている。」(中谷彰宏)

映画を観ることによる効果とは何でしょうか?
それは「経験値」が高まることにあるようです。
「観た映画が、実人生になっている。
だから、映画を観ることには、意味がある。
あしたのジョー、巨人の星、トップガン――
ヒーローたちの体験は、自分の体験になる。」と中谷さん。
余裕や度胸は、場数次第。映画を見た数が場数。
たくさん映画を観て「人生経験」を増やしましょう。

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