月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

会話を学ぶのが映画。

「会話がないからこそ味わえるのも映画。

中谷流・映画「俳句」鑑賞術。

別冊・中谷彰宏185「優しくしてくれたことばかり、思い出す。」――『噂のアゲメンに恋をした!』『振り子』

映画の醍醐味、それは何といっても「会話」。
ウィットに富んだ切り返し。含蓄のある格言。
磨き抜かれたセリフは、映画ならではのものです。
でも同時に、セリフのない世界を味わえるのも映画。
「映画は、俳句。半分はつくる側、半分は観る側がつくる。
各自の解釈があって、それがいい。」と中谷さん。
セリフという制約がなくなるから、気持ちが通じる。
イマジネーションが広がる。「世界」を共有できる。
俳句としての映画の観方、中谷さんから伺いました。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】別冊・中谷彰宏184

【データ版】別ナカ185 価格:1,700円(税込)

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○「冒頭で、コードが決まる。」(中谷彰宏)

1本目のご紹介は「噂のアゲメンに恋をした!」です。
「冒頭でコードが決まる。約束事が必ずある。」と中谷さん。
その冒頭とは、子供たちの集まるホームパーティーの一幕。
その場で、主人公・チャーリーは、魔性の少女に魅入られて、
「一生幸せになれない呪い」をかけられてしまいます。
歯科医になったチャーリーは、どこに行ってもモテモテ。
でも、チャーリーは浮かない顔でした――

○「モテモテ男は、ロマンチックに憧れる。」(中谷彰宏)

「チャーリーとセックスすると、次に運命の相手に出会う」
これが、チャーリーがかけられた呪いでした。
そのため、運命の相手との出会いを求める女性が、
日々押し寄せてきます。美女もいれば、そうでもない女性も。
時には、人助けのために、相手をつとめることも……
「モテモテ男は、生活がただれてくるんじゃなくて、
むしろ、ロマンチックに憧れる。」と中谷さん。
そんなとき、チャーリーの前に現れたのがキャムでした――

○「ジェシカ・アルバは、ゴリゴリのカトリック教徒。」(中谷彰宏)

ヒロイン・キャムを演じるのは、ジェシカ・アルバ。
男性誌で「世界一セクシーな女性」に選ばれたこともあります。
「ジェシカ・アルバは、ゴリゴリのカトリック教徒。
映画の中で、ヌードやセックスシーンはダメ。」と中谷さん。
違和感のある設定。そして氾濫するセックスシーン……
正直なところ、抵抗感のぬぐえない映画でしたが、
キャムの存在が、本作をロマンチックなものにしてくれました。

○「『振り子』は、フランス映画的。」(中谷彰宏)

2本目は「振り子」。お笑い芸人・鉄拳のパラパラ漫画です。
YouTubeで公開されていて、大きな反響を呼んでいます。
「『振り子』は、フランス映画的。
でも、カメラ目線でVサイン。映画の作法ではない。
見ている我々は誰だ? って、ヒヤッとする。
映画よりすごい。じっくり観た。」と中谷さん。
YouTubeでご覧いただけますので、ぜひ。

○「映画は、俳句。無限の別解を与えてくれる。」(中谷彰宏)

卒業式、そして校門。次のシーンは、アパートの2階。
「説明がいるところを、ワンカットで見せるのがすごい。
セリフが飛んでいるから、それぞれの耳に聞こえてしまう。
映画は、俳句。半分はつくる側、半分は観る側。
各自の解釈があって、それがいい。
無限の別解を与えてくれる。」と中谷さん。
言葉がないから、聞こえてくる言葉があるのですね。

○「セリフがないから、文化を超える。」(中谷彰宏)

「振り子」の反響は、全世界に及んでいます。
なかでも、イギリスのロックバンド・ミューズの
オフィシャルビデオに採用されたことは、よく知られています。v 「奥さんのお腹に、顔を埋めるシーン。
これだけで、わかるよね。世界中の人がわかる。
言葉がないから、国や文化を超える。」と中谷さん。
セリフのない世界を味わうのも映画の醍醐味なのですね。

○「1038枚。鉄拳さんは、まじめな人。」(中谷彰宏)

鉄拳さんは、高校時代に漫画で入賞。でもあとが続かず断念。
その後、プロレスの世界に飛び込むものの、
レフェリーとしての採用と気付き、即退団。
俳優になろうと劇団に入るも、滑舌が悪いことで、すぐに退団。
お笑い芸人として人気が出るが、ライバルに圧倒され廃業を決意。
そんなときに、手掛けたパラパラ漫画が高い評価を得ました。
「3ヶ月で、1038枚描いた。まじめな人。」と中谷さん。
鉄拳さん自身の人生がパラパラ漫画的ですね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美