月刊・中谷彰宏「月ナカ生活」

音がないから、聴こえてくる。

サイドストーリーに強くなる、

中谷流・「サイレント」鑑賞術。

別冊・中谷彰宏179「言葉に、愛を感じよう。」――『抱きたいカンケイ』『街の灯』

「抱きたいカンケイ」の主演は、ナタリー・ポートマン。
ナタリー扮する主人公は、後腐れない体のカンケイを、
一方のパートナーは、真剣な純愛カンケイを望んでいます。
ふたりの「交渉」は「体」から次第に「言葉」に。
カンケイを深める「言葉」を味わえる名作です。
「街の灯」は、言わずと知れたチャップリンの代表作。
あるホームレスの男が、盲目の花売り少女に出会います。
彼女は、チャップリンをお金持ちの紳士であると勘違い。
チャップリンが用立てたお金で、目の手術が成功した少女。
「あの紳士はいったい誰?」と思っていた、そんなとき――
セリフの味わい方を教えてくれた中谷さん、今回は、
サイレント映画の観方を教えて下さいました。

ゲスト:奈良巧さん(編集者)

【単品】別冊・中谷彰宏179

本編の一部を無料試聴いただけます。

【データ版】別ナカ179 価格:1,700円(税込)

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【CD版】別ナカ179 価格:5,000円(税・送料込)

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○「サイドストーリーとフラッシュアイディアが、一番強い。」(中谷彰宏)

収録にあたって、中谷さんは大量のメモを準備してきます。
整った手書きレジュメは、見惚れてしまうほどです。
「レジュメで用意した30個のネタで、使うのはいくつもない。
リアクションが薄いと、20も使ってしまうことになる。
芸が練れてくると、脱線や雑談がうまくなる。
サイドストーリーとフラッシュアイディアが一番強い。」
「別ナカ」の聴きどころは、映画のサイドストーリーと
中谷さんのフラッシュアイディアなのです。

○「ナタリー・ポートマンには、オードリーが入っている。」(中谷彰宏)

「抱きたいカンケイ」は、ナタリー・ポートマン主演のラブコメディ。
エマとアダムはいわゆるセックスフレンド関係。
それは、エマが望んだもので、アダムは真剣に恋愛を求めています。
「ナタリー・ポートマンには、オードリー入っている。」と中谷さん。
たしかに、チャーミングで行動的なオードリーを彷彿とさせます。
「おしゃれ泥棒」「マイ・フェア・レディ」「ローマの休日」、
これまでご紹介したオードリー作品とあわせて観たいですね。

○「映画『ジャズシンガー』で、初めて音がついた。」(中谷彰宏)

2本目の映画は「街の灯」。チャールズ・チャップリン映画です。
「原題は、シティライツ。1931年制作のサイレント映画。
サイレントは、情報量が多い。観る人の力量が問われる。
チャップリン映画は、貧富や強弱が描かれる。
シルクハットにスリーピース、そしてステッキ。
だけど、ホームレス。これがチャップリン。」と中谷さん。
自殺しようとしていた富豪を助けたチャップリン。
命の恩人として歓待されて、酒を酌み交わすことになりましたが――

○「テロップが増えると、観る力が弱くなる。」(中谷彰宏)

いつの頃からでしょうか、すっかり当たり前になったテロップ。
調べてみると、1990年代半ばから定着したとのことです。
「野球を観るとき、テレビだと油断する。
ラジオだと、そうならない。脳内イメージも鍛えられる。
テロップが増えると、観る力が弱くなる。」と中谷さん。
テレビは、ラジオの発展型ではないように、
サイレントはトーキーとは別物として観るのがいいようですね。

○「たった3分の出会いのシーンに、1年以上かけた。」(中谷彰宏)

「お花を売っている目が不自由な少女。そこへ高級リムジン。
ドアが開いたタイミングに、車内を通り過ぎて、
少女の落としたお花を拾ってあげるチャップリン。
走り去ったリムジン。金持ちと勘違いされて立ち去る。
このたった3分のシーンに1年以上かけた。」と中谷さん。
ところが、「街の灯」のあらすじを調べてみると――
中谷さんのお話になった筋とは、違うような・・・
この「ないシーン」こそ、中谷さんの映画評の醍醐味ですね(笑)

○「『You?』は、世界一短いアイラブユー。」(中谷彰宏)

ネタバレになってしまいますが――
盲目の少女に、手術費用を用立てたチャップリン。
ある日、ひょんなことから、その存在を知ることに。
「『You?』は、世界一短いアイラブユー。
純愛。ワンワードだけが感動的。
センチメンタルな音楽で癒やされる。」と中谷さん。
「街の灯」を観て、私もチャップリン映画に魅了されました。

○「チャップリンは、日本びいきだった。」(中谷彰宏)

「ステッキは日本製。マネジャーの高野虎市をはじめ、
自宅スタッフは全員日本人。4度も日本に来ていて、
515事件に、あやうく巻き込まれそうになった。」と中谷さん。
調べてみると、和風ステーキやてんぷらも好きだったようです。
黒澤明、手塚治虫、三谷幸喜、萩本欣一、太田光、そしてドリフ。
日本の映画や喜劇に大きな影響を与えたチャップリン。
この機会に、しっかり観ておきたいですね。

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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美