ゾンビ映画を観ることになるとは、思ってもいませんでした。
でも、課題映画ということで一念発起。レンタルしてみました。
でも、渋々再生ボタンを押すと、いきなり引き込まれることに。
観る前は「長いな…」と思っていた2時間もあっという間。
終盤では、涙が止まりませんでした。
ゾンビ映画は、一部の猟奇的(?)嗜好の人のためのもの。
観る前はそういう偏見を持っていましたが、完全に覆されました。
恐怖と感動のゾンビ映画に続いては、フランス映画のオムニバス。
人生の間口が広がり、奥行きが深まる中谷さんの映画談義をぜひ。
★こんな方にお奨めです♪
□ゾンビ映画を毛嫌いしている方。
□凝り固まった嗜好性を打開したい方。
□フランス映画の醍醐味を知りたい方。
ゾンビ映画には、これまでまったく縁がありませんでした。 怖いのは苦手なので、観る気にはなれなかったのです。 「新感線 ファイナル・エクスプレス」も正直、気乗りしませんでした。 でも、観終わったいまは、深い感動に包まれています。 「韓国映画は、疲れさせ方がうまい。」と中谷さん。 ゾンビの姿がおぞましかったぶん、「愛」が響いてきました。 新しい境地を切り開いてくださった中谷さんに、感謝です。
主人公は「人間の血を吸う職業」を自他ともに認めるファンドマネジャー。 妻とは別居、娘とも心が通わなくなりつつある。 そんな状況で、遭遇した前代未聞の事態。 「自分だけ助かればいい」とする父親に対する冷ややかな娘の視線。 ゾンビ襲来を前に「自分たちだけ助かればいい」という「大衆」。 一方で、恋人との愛に、自分の身を捧げる男子高校生。 主人公も、しだいに「愛」を取り戻してゆきます。 「人間の敵はゾンビではなく、人間。」と中谷さん。 人間の心の深淵を垣間見ることができる作品でした。
映画を見る前に、あらすじをネットで調べましたが、
高速鉄道の中でのゾンビパニックなんて、あまりにも荒唐無稽。
そんなふうに思っていました。それはものの見事に覆されました。
「同じアジア人同士だから、とてもリアルに感じられる。
韓国映画には、リアルさと情緒がある。」と中谷さん。
当初、気乗りしなかったのですが、観て本当によかったです。
食わずもの嫌いはいけませんね。映画で修行しましょう。
「パリところどころ」は全6編からなるアンソロジー作品。
第5話の監督は、巨匠ジャン=リュック・ゴダールです。
モンパルナスのロジェとルヴァロワのイヴァンに二股をかけるモニカ。
ある日、両者に送った手紙の宛名を逆にして投函してしまい――
「ゴダールの奥さんが、別の映画監督と不倫してしまった。
だけど、ゴダールは騒ぎ立てず、この映画をつくった。
嘆かないで、作品をつくろう。」と中谷さん。
「仕事」と「恋愛」を超越したゴダール、さすがですね。
「1920年代はドイツ、30年代はフランス、40年代からはアメリカ。」
「運命の饗宴」はアメリカ映画の時代の先駆けとされる名作です。
ジュリアン・デュヴィヴィエによるロマンチックサスペンスは、
一着の燕尾服をめぐる人間模様を描く、5篇のオムニバスストーリー。
「じっさいに撃たれているのに、心配かけないようにすっと起き上がる。
大騒ぎしない。男は、これじゃないと。」と中谷さん。
アメリカの時代を感じさせる「かっこいい男」を体感しましょう。
「映画の別ナカ」――課題映画は、ほとんどネットレンタルできます。
ふだんなら観ることのない映画にふれることができて、とても新鮮です。
1回目は、どうしても筋を追ってしまいがち。そこで考えました。
ネタバレ覚悟で、ネットであらすじを調べてから観ることにしました。
すると、ストーリーを解釈するための労力(?)が減ったぶん、
ワンシーンを味わう余裕が出てきたのです。
「誤読して思い込んで、勝手にゴッホになればいい。
ワンシーンをどれだけ味わうかが大切。」と中谷さん。
思い込みや妄想の世界を楽しむのが、映画鑑賞なのですね。
映画、テレビ、スポーツ――若いころは、共通の話題も豊富です。
ところが、歳とともに、共通の話題が見つけにくくなるのが現実。
でも、「共通の体験」は必要ないと中谷さんから学びました。
「語ることでも味わえるのが、名作。
僕は観るのも好きだけど、語るのも好き。
原点は、淀川長治さんの解説。浜村淳さんも。」と中谷さん。
観ていない人をも、映画の世界に引き込める情景描写。
ぜひ、中谷さんから習得したいですね。
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