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別冊・中谷彰宏141「抑制することで、心は強くなる。」――不完全を楽しむ人間関係術
術
○「抑制して、メンタルを鍛えよう。」(中谷彰宏)
ガッツポーズをめぐっての賛否両論。それぞれもっともですが、
「メリットの一つには、相手を威圧できるというのがある。
だけど、ガッツポーズをしないほうが、もっと恐い。
表情一つ変えないという抑制が、相手を畏怖させる。」と中谷さん。
たしかに、感情を抑制した態度のほうが不気味です。
勝負では、心情をそのまま露呈したら、スキを突かれてしまいます。
抑制することは、勝負メンタルを鍛えることにもなるのです。
○「完成は、縁起が悪い。」(中谷彰宏)
完成させずに、どこかに発展の余地を残しておく。
これは、大工さんも、連歌師にも共通した認識だと中谷さん。
月ナカ収録では、しばしば、外の音が入ってきたり、
以前は一度、地震があって、そのまま収録終了なんてことも(笑)。
完璧に作り込むことを、中谷さんは好まないのには、
工夫の余地がなくなり、綻びから想像が広がらないことがその理由。
不完全さが可能性を生み、綻びが想像力をもたらすのですね。
○「ひとりに真剣になることが、マーケティング。」(中谷彰宏)
ターゲットを広くするマーケティングと絞り込むマーケティング。
素人はつい、広くすれば、多くのお客さんを得られると勘違いします。
「すべての人を救おうとすると、マーケティングは失敗する。
たった一人のお客さんに集中すること。」と中谷さん。
中谷本には、どのような人が読者対象なのかが明確にされています。
これがもし、「老若男女すべての人に役立ちます」と書かれていたら、
誰にも突き刺さらないでしょう。
ターゲットは絞り込む。その覚悟が訴求力につながるのですね。
○「プロフェッショナリズムとは、修正力。」(中谷彰宏)
かつて栄華をきわめた業界が一気に没落するなど、
何を軸にすればいいのか、混沌とした時代になってきました。
「成熟社会では、『正解』ははない。
新しい体験を通じて、修正する力を身につける。
正解力より修正力。」と中谷さん。
状況の変化に落ち込んだりしないで、つぎからつぎへと提案できる。
そんな精神力と教養が、これからの時代求められます。
月ナカがもたらしたいのは、そんな精神力と教養なのです。
○「ショッピングは、購買活動ではない。」(中谷彰宏)
ショッピングにつきあうのを苦手にする男性は少なくありません。
「女性のショッピングは、買い物ではない。
見ること5割、しゃべることが5割。」と中谷さん。
海外のみやげ物屋さんで、ふっかけてくるののは何故でしょうか。
それはお店の人が、価格交渉というコミュニケーションを楽しみたいから。
しかし、言い値で買ってしまうか、怒って帰ってしまうのが日本人の大半。
こうした面倒くさいやりとりに、海外旅行の醍醐味があるのです。
○「会議は、意思決定が目的ではない。」(中谷彰宏)
ショッピングと同様、男性が耐えられないのが、ダラダラした会議。
これについても、中谷さんはこう分析します。
「会議は、上司のしゃべりたい欲求を満たす場。
意思決定するためではない。」と中谷さん。
上司といっても人の子。上司ならでは屈託や悩みもあるものです。
そのあたりを慮ってあげるのも、部下のつとめかもしれません。
そんな配慮こそ、AIには太刀打ちできない、
人間ならでは仕事なのかもしれませんね。
○「愛とは、見返りを求めない奉仕。」(中谷彰宏)
愛してくれるなら、愛してあげる。これでも愛でしょうか?
「受け身の人の恋愛は感謝ではなく、交換。
好きは好き。すべて捧げることで悦びが得られる。
趣味にしても、スナックの常連さんにしても、
捧げることで、ますます好きになる。」と中谷さん。
でも、捧げる対象は、そう簡単に見つかるものではありません。
愛する対象に恵まれるためには、どうすればいいでしょうか?
それは「交換」の意識から抜け出そうとすること。
見返り意識を捨てることで、愛に巡り会えるのです。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美