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別冊・中谷彰宏118「愛するとは、赦すことだ。」――長期戦で幸せになる恋愛術
○「完全一致を求めると、楽しくなくなる。」(中谷彰宏)
志向性や価値観が近い人同士ほど、意外と揉めるものです。
ビジネスでも、恋愛でも同様、近い価値観同士のほうが、
ささいな違いがきっかけで、トラブルになるものです。
その点、趣味も価値観もまったく違うほうがむしろ関係は良好。
おたがい期待しないから、失望することもないのです。
「ケンカは、価値観の隣合わせで起こる。
小さな違いを無理して合わせようとするから、きつくなる。
無理は禁物。すれ違いを楽しもう。」と中谷さん。
「自由」は、おたがいの寛容さが土台となります。
相手の価値観を尊重できる人だけが自由を謳歌できるのですね。
○「期待させないことで、満足感は高まる。」(中谷彰宏)
中谷さんが紹介する映画は、どういうわけか観たくなります。
今回、その理由がわかりました。
それは、中谷さんが「勧めない」から。
人の心は天邪鬼なもので、勧められると、拒絶衝動が芽生えます。
人間には、押してくるものには、反発しようとする本能があるようです。
「ハードルを上げると、失望させる。
あえて期待させないことで、満足感が高まる。」と中谷さん。
プッシュ型クチコミではなく、プル型クチコミ。
思いやりあふれるコミュニケーション技法ですね。
○「突き放す男が、モテる。」(中谷彰宏)
追えば、逃げられる。押せば、拒絶される。
人間心理というのは、じつに裏腹なものです。
これを応用したのが、「突き放し」戦術。
女性にガツガツ迫ったり媚びたりするより、突き放す。
「突き放す」と言葉で言うのは簡単ですが、
じっさいにそうするには、相当のメンタル力が必要です。
そのメンタル力をもたらしてくれるのが「趣味」。
女性よりも好きなものがあれば、動じることはありません。
没頭できる世界を持つ人がモテるのは、こういう理由からなのですね。
○「明快な男が、モテる。」(中谷彰宏)
以前、読んだ本に、こんなことが書いてありました。
カリスマ性というものは、あやしげな雰囲気によって醸成される。
――こんなふうに誤解している人が多いが、じっさいは、
「明快さ」がカリスマ性を生み出している。
何が欲しいのか、何をしたいのか。
こうした願望が明快な人のほうが、カリスマ性を持つというわけです。
「明快な人は、ブレない。わかりやすいから好かれる。」と中谷さん。
願望をはっきり表明できる、そんな勇気を持ちたいですね。
○「文学作品で、『淡いつきあい』が学べる。」(中谷彰宏)
不安定な状態にどれだけ耐えられるかに、成熟度が表れます。
宙ぶらりんな状態は、誰だっていやなものです。
早くイエスノーをはっきりさせたい、早く白黒つけたい。
でも、そのあやふやな状況に耐えられるのが、大人のメンタル力。
さらに、その宙ぶらりんな状態を楽しめれば、
人生は、どれだけ充実したものになるでしょうか。
「中間の淡いつきあい――たとえば、10代の恋愛。
親友以上恋人未満という宙ぶらりんな状態が、
少年を大人の男にしていく。」と中谷さん。
そこで役立つのが文学作品。
中谷さんの恋愛指南書は、夏目漱石の「こころ」だそうです。
○「声を小さく、ゆっくり話そう。」(中谷彰宏)
修羅場体験の数で、「不動心」は鍛えられます。
その体験量が、動揺するしないを決定づけているといえます。
もし、彼女が動揺していたら、揺れる心を鎮めてあげましょう。
「声を小さく、ゆっくり話せば、揺れはおさまる。
一段上のフロアに上がって、見下ろせば、ケンカにならない。」と中谷さん。
一番避けなければならないのが、真正面から受け止めて返すこと。
これでは、「免震」どころか「共振」。「大震災」になりかねません。
「あれ、揺れ始めたな」と思ったら、一段上のフロアへ「避難」。
こんな防災への取り組みも、モテる男性は怠らないのです。
○「『許す』ではなく、『赦す』」(中谷彰宏)
よく自己啓発書に、「許す」ことの大切さが説かれています。
でも、この「許す」は、人によって都合よく解釈されているようです。
ある人は、相手の非道に我慢して泣き寝入りすることと捉える。
ある人は、相手の愚かさを見くだしながら、大目に見てやることだと捉える。
「『許す』は、上から目線。愛とは『許す』ではなく『赦す』こと。
相手の怒りをどこまでも受け止めること。」と中谷さん。
「許す」は条件付き。無条件で受け入れる、それが「赦す」なんですね。
だから、「赦す」は乱発することはできません。愛する人限定。
それが「八方美人」に陥らないための心構えなのですね。
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月ナカ生活 コーディネーター・曽我清美